ヤマト運輸、長良川鉄道と客貨混載 岐阜で本格運用開始
物流企業
2018/02/26 0:00
ヤマト運輸と長良川鉄道(日置敏明社長、岐阜県関市)は21日、関駅(関市)と美並苅安駅(郡上市)の区間で、鉄道を利用した客貨混載輸送の本格運用を開始した。2017年11月6~17日実施した実証実験で、ヤマト運輸のセールスドライバー(SD)の走行距離や業務時間削減、客貨混載時の安全性確保、サービス維持のためのオペレーションなどを検証。一定の成果が得られ、実用性にメドがついたことから、本格運用に踏み切った。 ヤマト運輸が岐阜市のベース店から関駅まで荷物を輸送。その後、午後1時16分発の列車に駅員が荷物を積み込み、23キロ先の美並苅安駅まで40分かけて運ぶ。SDが受け取り、美並地区の集配業務につなげる。 同地区の集配業務は、ヤマト運輸郡上八幡センター(郡上市)が起点。これまでSDは、午前中に24キロ先の美並地区に向かい集配を終え、午後の業務のために一度同センターに戻り、再び美並地区まで行って集配していた。今回の運用により、業務時間短縮や環境負荷低減を見込む。余剰滞在時間は、地域住民へのサービスアップに充てる。 一方、長良川鉄道は、地域のインフラ路線を守るため、経営基盤の強化を推進。利用客の減少を食い止めながら、貨物輸送で得られる収益で財源の多様化を図る。 貨物量は1日5、6個を想定しており、台車に載せた荷物は、車内に固定して運ぶ。 同日、関駅で開いた出発式では、第三セクターである長良川鉄道の社長を務める日置敏明郡上市長や、ヤマト運輸中部支社の西出敏之支社長、中部運輸局の石沢竜彦局長らが出席し、テープカットを実施した。(奥出和彦) 【写真=ヤマトのデザインをほどこした長良川鉄道】