都市再生特別措置法改正案、空き駐車場で荷さばき 地域別に規制見直しへ
行政
2018/02/22 0:00
国土交通省は、都市部で使われていない駐車場を荷さばき場に転用しやすいよう規制を見直す。一定規模の建築物に駐車場の設置を義務付ける条例を、地域ごとの事情に応じて、規制内容を柔軟に変更できるようにする。都市部では駐車場の収容台数が増える一方、自動車保有台数は減っているため、空いた駐車場を荷さばき場として活用し、都市部の渋滞減少や物流効率化につなげる。 同省は、今国会に都市再生特別措置法などの改正案を提出。成立すれば、公布から3カ月以内に施行される。 建築物への駐車場の設置義務は、駐車場法に基づき地方公共団体ごとに条例で定めている。国は目安として、人口100万人以上の都市では床面積150平方メートルごとに駐車場1台分を整備するよう示している。 ただ、全国的に駐車場の空きが目立つ。過去20年間で駐車場台数が2.6倍(2013年時点)に増えている一方、自動車保有台数は1.3倍(同)にとどまっている。都市部では特に顕著で、東京23区は過去10年間で駐車場台数が1.25倍(16年時点)に増えているのに対し、自動車保有台数は0.89倍(同)と減っている。 更に、商店街や駅周辺では荷さばき場が不足しており、渋滞などの問題が生じている。こうした現状を受け、改正案では条例の内容によらず、地域の事情に応じて規制を見直せるようにする。 ターミナル駅周辺など全国53地域が指定されている「都市再生緊急整備地域」が対象。この地域の関係者で構成する官民協議会が「都市再生駐車施設配置計画」をまとめ、この計画を受けて自治体は条例を見直す。 東京都では14年、条例を改正し、駐車場の設置義務を敷地面積350平方メートルにつき1台分(改正前は300平方メートルにつき1台分)に緩和した。整備地域ごとに規制が見直されれば、荷さばき場への転用が進み、都市部の交通円滑化に弾みが付きそうだ。(土屋太朗) 【写真=全国的に駐車場の空きが目立つ(イメージ写真)=一部画像処理しています】