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取引労働改善福島協、荷役機器導入で時短 積載効率とコスト負担のバランスが課題

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2018/02/19 0:00

 【福島】トラック輸送における取引環境・労働時間改善福島県協議会(今野順夫座長、福島大学名誉教授)は1月31日開いた会合で、2017年度のパイロット事業(実証実験)における、二つの実施集団(発荷主が住友ゴム工業白河工場とアサヒビール福島工場)の取り組み結果を報告した。積み込み作業軽減のために荷役機器や輸送架台(ラックやパレット)を利用しても、手積みからの切り替えに関して、多くの課題があることが浮き彫りとなった。(富田久男)  住友ゴムでは、白河工場から郡山市の物流センターまで乗用車タイヤの横持ち輸送を実施した。フォークリフトでの荷積みをするために、タイヤ専用の3段ラックや大型パレット(サンクロ)を導入して、作業時間の短縮を試みた。  結果は、現行(ばら積み)の大型トラックによる1運行で、積み込み時間が約6割短縮したものの、輸送コストは51%増加してしまった。2運行では積載率が24%向上したものの、コストは5割アップ。時間短縮のため、積載効率とコスト負担のバランスをどのように判断するのかが、今後の大きな課題とした。  また、工場内での待機時間では、住友ゴムが独自に改善に取り組んでいることを紹介。4年前には、トラックの入庫から、積み込み、出庫までに平均4時間10分を要していたが、現在は1時間40分までに短縮していることが報告された。  アサヒビールでは、今まで以上に細かい入場コントロールや欠品待ちの車両調整、荷ぞろえ方法と作業内容の見直しなどを進めた。その結果、取り組み前の待機時間は平均45分、積み込みは75分を要していたが、実験後はそれぞれ15分、45分と大幅に改善した。  着荷主の実験も予定していたが、倉庫内作業の委託業者を変更したばかりで、作業が安定していないことから見送られた。  実験結果を踏まえ、改善成果や今後の取り組み方針などを3月末までにまとめ、報告書を作成する。 【写真=多くの課題があることが浮き彫りとなる】





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