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中小事業者/運賃上げ交渉、人手不足背景に強気 取引中止通告が奏功 「荷主は神様」及び腰

産業

2018/02/15 0:00

 物流危機が社会に理解され、大手運送事業者の間で運賃値上げの発表が相次いだことを受け、中小事業者も燃料や車両の費用の上昇、最低賃金改定、労働環境改善などを踏まえて交渉を始めている。人手不足による輸送力枯渇を背景に強気の交渉を進める事業者がいる一方、荷主は神さまでコスト割れでも及び腰のケースもある。  東京都トラック協会の新宿支部(大島弥一支部長)の新年会で東ト協の佐久間恒好副会長(48)は、自身の経営する商運サービス(東京都練馬区)の値上げ交渉の状況を紹介した。取引条件が合わない荷主に取引中止を通告したところ、慰留され、「要望の9割が受け入れられて、2トンロング4台で月額60万円の値上げになった」と説明。会員に値上げ交渉を行うよう促した。  長尺や異形状の鋼材・鉄鋼などの共同配送を手掛けるメタル便(梶大吉社長、千葉県浦安市)は、浦安発の共同配送便で、4月からの約10%増の運賃改定に踏み切っている。同社が価格決定権を持つため、荷主交渉無しの通告になった。  理由は、燃料価格や新車トラックの値上がりと、ドライバーの労働条件改善による人件費増加などだ。他社が嫌がる形状の鋼材の積み合わせという特殊業態であると事前周知に努めた結果、値上げへの抵抗は少ないという。  梶社長(62)は「既に値上げしたグループの他拠点では、取り扱い荷物の減少はみられず、むしろ受注が増加している」と話す。  東京都武蔵村山市で冷凍食品輸送を手掛ける事業者でも、増加するコスト吸収を理由に、運賃値上げ交渉をこの2、3年で始めた。基本は人件費の増加だ。東京では、07年の最低賃金法の改正以降、毎年20円以上のペースで最賃が上昇している。この事業者が値上げに踏み切る前後の15年、東京の最賃は907円となり、初めて900円を超えた。  最賃法の改正は07年当時、「最賃水準の給与では、生活保護費よりも低い」との声が広まったことから引き上げられた。これにより、07年に739円だった東京の最賃は、17年には958円まで上昇している。  この会社の値上げ幅は10~15%で、値上げを認めたのは荷主の1割程度。コストが限界を超えたため取引を中止したのは、稼働台数の2割分になる。  標準貨物自動車運送約款が改正されたこともあり、値上げの動きは加速している。ただ、新約款の届け出は半分にも達しておらず、もともと運賃タリフに基づいて契約を締結していない事業者が多いとみられる。約款改正を受けて荷主に打診したものの、一蹴されたところもある。  今回のような値上げのチャンスは、めったにやってこない。 【写真=メタル便は浦安発の共同配送便で約10%の運賃改定を行う】





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