豊田合成、「脇見警報」販売開始 年内3000台めざす
産業
2018/02/12 0:00
豊田合成は1月30日、トラック向けに開発し、物流子会社のTGロジスティクス(小林大祐社長、愛知県一宮市)で実証を重ねてきた「脇見・居眠り警報ハンドル」の本格的な販売を開始する、と発表した。 TGロジで10台導入するのを皮切りに、3月までにトヨタグループの大手物流事業者などが導入を決めている。4月からはTGロジ協和会(牛田義郎会長)メンバーや一般事業者にも販売を拡大し、2018年に3千台の販売を目指す。 ハンドル内に付いたカメラでドライバーの運転状態を撮影し、専用のアプリを入れたスマートフォン(スマホ)でデータを解析。1秒ほど脇見や居眠り(目を閉じた状態)を検知すると、スマホから警報を鳴らして注意を促す仕組みで、事故の危険性が高い2秒以上のわき見・居眠りを阻止する。 また、スマホの通信機能により、ドライバーの状態や車両状況を管理者にリアルタイムで送信可能。事故防止につなげる。 新車以外でもハンドル交換で利用可能なことから、既販車両への普及が期待されている。ドライバーの顔を近赤外線照射で撮影するため、実際の運転シーンで多いサングラスやマスクをした状態を認識できることも汎用(はんよう)性を高めるポイントだ。 12年から開発を始め、14年からはTGロジのトラック15台に搭載して累計10万キロ以上の実証実験を重ね、17年1月の販売開始後も精度アップを図ってきた。 同社では「今後も、ハンドルというドライバーとクルマの接点(ヒューマン・マシン・インターフェース)に様々な機能を統合していくことで、より安全な自動車社会の実現に貢献していきたい」としている。(梅本誠治) 【写真=ハンドル内のカメラでドライバーを顔認識し、目の状態を常時解析する】