経産省、電子タグ活用へ実験 在庫管理システム構築
行政
2018/02/12 0:00
経済産業省は14~23日、電子タグを使って商品の在庫情報などを共有するシステムの構築に向けた実証実験を行う。物流センターやメーカーの工場で商品に電子タグを貼付(ちょうふ)。RFID(無線自動識別)を活用することで、共同配送の促進や食品ロスの解消などサプライチェーン(SC、供給網)全体の効率化につなげる。物流企業では日立物流が協力する。同省が2日に発表した。 レジや棚卸しの業務では、現在はバーコードを読み取る手法が使われている。ただ、商品を一つひとつ読み込む必要があり、1単位ずつの識別が難しい。一方、RFIDを採用すれば、一つのタグに多くのデータを入れられるため、特定の商品がいつ、どこに、何個あるのかといった情報の管理が可能になるとともに、複数の商品の情報を一括で読み取れるようになる。一つずつ手作業で読み込む必要が無くなり、業務の効率化を実現できる。 効率的な在庫管理が行えるようになることで、食品ロスが解消され、無駄な配送の削減につながる。積載量や配送ルートがシステムを通じて可視化されれば、共同配送の促進にも弾みが付きそうだ。 近く始める実験では、ファミリーマート・経済産業省店、ローソン・丸の内パークビル店、ミニストップ・神田錦町3丁目店(いずれも東京都千代田区)で実施。日立物流のほか、メーカーや卸売業者などSC全体の関係者が参加する。 物流センターやメーカーの工場で、商品の一つひとつに電子タグを貼付。実験用に構築したシステムと連携させ、トラックの積載情報や在庫情報などを共有し、想定通りに機能するかどうかを検証する。 同省は2025年までに、全てのコンビニの商品を対象として、年1千億個の電子タグの貼付を目標に掲げている。(土屋太朗) 【写真=25年までに、全てのコンビニの商品への電子タグ貼付が目標(ファミリーマート・経済産業省店)】