交協連、5億円増資で基盤強化 再共済掛金1%上乗せ 恒常的な黒字化へ
団体
2018/02/05 0:00
全国トラック交通共済協同組合連合会(坂本克己会長)は1月30日の理事会で、15単協による5億円の増資と、2018年度から3年間、対人再共済掛金に1%上乗せして徴収する運営基盤強化策を決定した。一時期、最終赤字が続き、内部留保も一定水準を下回っており、恒常的に黒字となるための方策を模索してきた。坂本会長は「バランスシートの姿かたちが悪い。交協連の運営がおかしくなってはいけない。経営や保険のプロで今までの運営、掛け金を見直し、安定化の検討をここ2・3年でやりたい」と説明した。(北原秀紀) 5億円の増資は17年度末に実施。2億4千万円を15単協の均等割と、残りを対人契約車両数割で負担する。16年5月には出資金を3千万円から5億円に引き上げている。 再共済掛金に1%を上乗せした暫定掛金率に伴う各単協の負担は、17年度の数値をベースに試算すると、合わせて2億2776万円となる。 また、資産運用諮問委員会(藤原菅也委員長)が答申した①過去1年間の運用実績は「健全性及び流動性が十分に確保されている」②16年度の資金運用益及び利回りの実績が前年度を下回ったことは「やむを得ないものと認める」③今後の運用先は「国債・地方債・商工債及び定期預金を中心とすることが適当」――などの内容は了承された。 冒頭あいさつで、坂本氏は、運賃・料金について「(標準貨物自動車運送)約款の改正は外堀だが、(トラック運送業の適正運賃・料金)検討会で内堀を埋めていかなければならない。輸送品目ごとに原価をつくっていく」と言明。更に、「全国を回って道路整備の必要性を感じた。労働時間の短縮につながり、安全と環境にもいい。今年を『道路改革元年』として取り組む」と述べた。 【写真=「輸送品目ごとに原価をつくっていく」と坂本会長】