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戎急配、特積共配で業績伸ばす 建材物流へも水平展開 平ボディー車を増車

物流企業

2018/01/25 0:00

 【岡山】エフエーエス(内浪博文社長、香川県まんのう町)グループの戎(えびす)急配(同、岡山県瀬戸内市)は、特別積合せ事業者9社の小ロットの商流貨物(雑貨など)を集約し、着荷主向け共同配送を実施するビジネスモデルで業績を伸ばしており、今後は建材物流でも、このビジネスモデルを水平展開していく。現在は1台しかない平ボディー車の導入を進め、ユニック車を含めて建材共配向け車両を10台程度に増やす。特積貨物の共配に投入しているウィング車53台と併せて保有車両を60~70台の規模に拡大し、2015年9月期の売上高を20年9月期までに倍増させる。(江藤和博)  戎急配はエフエーエスの子会社になる前から特積事業者の小ロット貨物の共配を手掛けていたが、マネジメント力の不足などから運賃が安く、収益性は低かった。そこで、内浪社長と古くから付き合いがあり、物流業界での経験が豊富な中村信一・統括本部長監査役が1年半前に入社。特積事業者と強力に運賃値上げ交渉を進める一方、共配の仕組みを再構築してブランド化を進めてきた。  その具体策の一つがエリアの特化。特積事業者から小ロット貨物を集約するハブ拠点として瀬戸内市の本社と津山営業所(津山市)を活用。ここから着荷主のエリアを岡山県北部と東部に絞り、他の県内エリアの仕事は断った。同時に、取引のある9社以外の特積事業者の荷物も共配に取り込むため、伝票の届け先を戎急配にするよう着荷主に働き掛け、物量を確保した。  戎急配の共配は、特積事業者にとっては効率の悪いエリアの配送を外注できるメリットがあるが、着荷主も荷受けの回数を減らして人件費などを大幅に節約できるメリットがある。また、納品時間が安定し、一時保管サービスを利用すれば倉庫スペースの有効活用が可能だ。  共同事業をリードする黒田寛・統括本部取締役管理部長は「特積貨物の共配を軌道に乗せているのは中国地方で当社だけではないか。特積事業者とは対等なパートナーシップを結び、運賃値上げで確保した利益はドライバーの賃金に充当した。サービスには輸配送、物流、ロジスティクスの三つのレベルがあるが、共配は輸配送と物流の隙間の強みを生かしたもの。今後も高いレベルを目指していく」と話す。  また、「怒られる前に謝ることで信頼性が高まる」との発想から、社内でCA(クレーム・アクシデント)ゼロプロジェクトを推進。アクシデントなどを月ごとに表にまとめ、黒田氏ら幹部が特積9社を訪問して報告している。  建材の共配は、こうした経験やノウハウを生かしながら、別のチームで進めていく。平ボディー車の増車に伴ってドライバーを増員するとともに、津山営業所の近隣に3300平方メートルの土地を賃借し、4月にヤードの建設に着手。9月をメドに稼働させ、本社と併せた2カ所をハブ拠点として、工場現場搬入や卸業者などへのルート配送を手掛ける。エリアは岡山島根、鳥取、広島の各県を想定している。建材物流はエフエーエスの主力業務で、戎急配も手掛けることでグループのアライアンスを更に強化する。  戎急配の売上高は、エフエーエスの子会社になった15年9月期に2億8千万円だったが、17年9月期には3億3千万円まで伸びた。20年9月期には6億円を目指す。 【写真=着荷主向けに共配を実施するビジネスモデルで業績を伸ばす】





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