カネフジ運輸、社屋・倉庫を移転整備 保管&輸送機能備え 待ち時間を削減
物流企業
2018/01/15 0:00
【宮城】カネフジ運輸(須藤睦弥社長、宮城県東松島市)の新社屋・保管施設などの移転整備が、2017年末に完了した。新本社は保管と輸送の機能を兼ね備えており、高度・多様化する顧客ニーズに的確に対応。新築倉庫は営業倉庫として登録し、倉庫業にも進出する。(黒田秀男) 東日本大震災で被災した東松島市の市街地復興土地区画整備事業の防災盛土工事などに伴う本社施設の移転。新築の本社事務所と倉庫1棟に加え、既存の保管庫2棟を曳家(ひきや)工法で移設した。新築の倉庫1棟は営業倉庫として登録する計画で、現在、登録申請を準備中だ。 東松島市が整備した大曲浜地区産業用地の一角に移転した。旧本社に隣接する用地を、換地分に加え、自社所有と借地により確保。敷地面積は1万6500平方メートルと旧施設の2倍に広げた。 建物は西側に新築倉庫を建て、向かい合わせに保管庫2棟を並べた。新倉庫は鉄骨造り平屋建てで、床面積が2350平方メートル。天井を高くし、資材など幅広い需要に対応できるようにした。曳家による2棟の保管庫はそれぞれ、約900平方メートルのスペースを有する。 事務所は平屋建てで、床面積270平方メートル。事務室やミーティングルーム、運行管理室、休憩室などを設置。また、自家用給油スタンドは軽油25キロリットル、ガソリン5キロリットルの貯蔵タンクを整備し、大型洗車機も導入した。 完成により新本社は保管と輸送の機能を兼ね備えた複合的な施設となった。保管施設を有効に活用し、高度・多様化する顧客ニーズへ的確に対応。新築倉庫を営業倉庫として登録し、顧客との信頼関係を強くする。 併せて、ドライバーの労働環境の改善にもつなげる。荷積み、荷下ろしを主導的に行える保管施設を持つことで、課題だった荷主の庭先での待ち時間解消や長時間労働の改善、作業負担の軽減も可能になる。 須藤弘三会長は「復興ではなく、6年9カ月ぶりに復旧工事が完了した。運ぶだけでは、中身の濃い仕事はできない。保管機能を備え、ニーズに応えるとともに、労働環境の整備に努めたい。微力ながら地域にも貢献したい」と語った。 【写真=完成した新倉庫と曳家で移設した保管庫の1棟。右手前は新社屋】