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日勝峠/通行止め解除2カ月、安堵と不安の声混じる 降雪期で事故多発 リスク踏まえ道東道選択

産業

2018/01/11 0:00

 【北海道】台風の影響で通行止めだった、道央と道東を結ぶ交通の要衝「国道274号日勝峠」が2017年10月、およそ1年2カ月ぶりに復活し、住民の移動や物流が通行止め前の状態に戻ったことで、安堵(あんど)の声が聞かれる。ただ、降雪期に入り、早速大型トラックの事故が多発するなど、安全面で「従来の懸案」が再び浮上し始めている。トラックドライバーからは「冬場の日勝峠は通りたくない」との声も漏れ、事業者の間では、安全面や労働時間を考慮し、道東自動車道と日勝峠を使い分ける事業者が増えている。(岡杏奈)  16年8月30日、日勝峠(日高町千栄―清水町清水、全長36.1キロ)では、台風によって千呂露(ちろろ)橋(日高町)の崩落をはじめ66カ所が被災した。通行止めの間は、東日本高速道路北海道支社(大越良記支社長、札幌市厚別区)の協力の下、道東自動車道を代替路とし、当該区間に対する無料措置が取られていたが、日勝峠の通行止め解除とともに、無料措置が終了した。  日勝峠が通る十勝管内の市民や物流事業者を中心に、通常通りの交通流を取り戻したことで安心の声が広がる。合同通運(幕別町)の木田将実社長(69)は「多くの方の努力のお陰で早期の開通が実現し、大変ありがたい」と歓迎する。  ただ、蛇行を繰り返し、急斜面を上り下りする日勝峠は、以前から事故の多い区間で、安全運行の難所となっている。  北海道警によると、日勝峠開通後から12月15日までの事故発生件数は18件。通行止め前の期間(15年10月28日~17年12月15日)は8件で、10件増となった。全て単独事故で、その多くが大型トラックによるものだという。主に路外逸脱やガードレールなどの道路構造物との衝突が原因。また、片側交互通行を除いた完全な通行止めも既に2回起きている。  道警では「大型貨物トラックによる路外逸脱事故が多発している。道幅が狭いため、スピードを出し過ぎず、カーブの手前では減速して欲しい。また、吹雪などで前が見えなくなることもあるほか、トンネルや覆道の前後、日陰やカーブなどは滑りやすくなっているところも多いので、路面状況に注意して欲しい」と呼び掛ける。  こうした中、十勝管内のある事業者は「できることなら開通して欲しくなかった」と胸中を明かす。「(日勝峠は)とても神経を使う道路で、道東と道央を結ぶ『大動脈』と言われるが、あれほど危険な峠は無い。トラック事業者なら『事故の絶えない道路』と誰もが認識している。荷物を積んで峠を走ると燃料代も高くつく。大事な荷物を積んで走るトラックが、危険なところを走らなくてはならないのはおかしい。安全にはお金が掛かるということを、荷主をはじめとした関係者が理解して、協力していただかないと」と強調する。  合同通運の木田社長は「最近、各地で異常気象が発生しているので、いずれまた同じ目に遭うような気がしてならない。また、夏はまだしも、冬の峠越えは重大事故も懸念される。恐らく当面の間は、道東道を利用する事業者が多いのではないか」と話す。  また、同社では、現在も道東道で無料措置を取っていた区間を今でもそのまま利用しているといい、「コストは掛かるが、事故が発生した場合のリスクが念頭にあるし、労働時間の短縮にもつながる。日勝峠が通行止めの場合の道東道でなく、道東道が通行止めの場合の日勝峠という位置付けに転換しつつある」と説明する。  通行止め前は、雪崩や落石などから道路を守る覆道が設置されていた「三国の沢覆道」。現在は、覆道の無い道路として開通している。この場所について、無事故で20年間、日勝峠を走り、開通後も週に3往復ほど利用している道東運輸(戸出優子社長、帯広市)のドライバー(51)は「もともとは吹雪などから視界を守るための覆道だったはず。開通後は覆うものが何もないため、吹雪や風によって雪が舞い上がり、『ホワイトアウト』のようになることも多い。最低でも、除雪や凍結防止剤の散布を強化して欲しい」と要望する。  戸出社長(68)は「天候や路面状況を見て、少しでも危ないと判断した時には道東道を利用させている。日勝峠は、肉体的にも精神的にもドライバーへの負担が大きい。渋滞も多いので、ドライバーの安全確保と負担軽減を重視して道東道と使い分けたい」と話している。 【写真=ホワイトアウト発生の危険もある日勝峠(12月13日撮影)】





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