国交省/自動運転サービス実証、狭小区間走行に改善点 車両性能 支障なし 実験後 信頼性向上
行政
2017/12/25 0:00
国土交通省は19日、中山間地域の道の駅を拠点とした自動運転サービスの実証実験のうち、既に実施した4カ所の実験結果について報告した。乗車モニターへのアンケートの結果、自動運転技術については、乗車を経験後の方が技術への信頼性が向上した一方、一般車両が混在する環境での走行に対しては、半数近くが改善点を指摘し、車両開発事業者も狭小道路などインフラ面の支障を上げるなど改良の余地があることが分かった。(田中信也) 同日、中山間地域における道の駅などを拠点とした自動運転ビジネスモデル検討会(原田昇座長、東京大学大学院教授)の第2回会合が開かれた。2017年度に実施する全国の道の駅13カ所中、既に実験を終えた9カ所のうち、にしかた(栃木県栃木市)、芦北でこぽん(熊本県芦北町)、赤来高原(島根県飯南町)、奥永源寺渓流の里(滋賀県東近江市)の4カ所について、車両開発事業者が状況を説明。事務局が各実験の乗車モニターに実施したアンケート結果のポイントを解説した。 各実験とも車両性能に関しては大きな支障は無かったものの、センターラインの無い区間や狭小区間で自動運転が不可能になったほか、沿道の植栽などを障害物として検知し、停止するケースがあった。なお、一部の走行ではドライバーが乗車しない「レベル4(完全自動運転)」も実施したが、大きなトラブルは無かった。 一方、乗車モニターへのアンケート結果では、「自動運転技術を信頼するか」の問いについて、乗車前が21~49%だったのに対し、乗車後には47~75%と、乗車後により信頼性が大きく向上した。 自動運転サービスが実現した場合、「出荷や購入の機会が増えると思うか」聞いたところ「増加する」との回答が47~72%に上るなど、地域の活性化への効果を期待する声が少なくないことが分かった。 また、実証実験を実施した自治体を代表し、常陸太田市が、16年9月から実施している、道の駅に発着する高速バスでの客貨混載事業を本線に、地域での自動運転を支線として組み合わせたビジネスモデルについて提案した。 【写真=自動運転ビジネスモデル検討会で4カ所の実証実験について報告】