農水省/卸売市場法改正、取引規制を市場ごとに
行政
2017/12/25 0:00
農林水産省は、青果物や生鮮食品の取引ルールを各市場ごとに設定できるようにするなど中央卸売市場に関する制度を見直す。現行では国が一律で規制しているが、消費者ニーズの多様化に伴う市場を通さない流通経路の増加など、環境の変化に対応。民間による中央卸売市場の開設も認め、卸売市場の活性化につなげる。2018年の通常国会で卸売市場法などの改正案を提出する。 現行法では、中央卸売市場を介した農水産物の流通ルートを維持するため、取引規制を複数設けている。商品は中央卸売市場を通さなければならない「商物一致の原則」などがこれに当たる。一方で、電子商取引(EC)の場合など例外規定もあり、近年はこの規定を利用する事業者が増えている。 農水省は、こうした取引規制を市場ごとに設定できるよう緩和させる方針。政府の規制改革推進会議(大田弘子議長、政策研究大学院大学教授)は取引規制の撤廃を求めていたが、地域によっては市場機能が重視されているといった点に配慮した形だ。 また、中央卸売市場の開設には都道府県や人口20万人以上の市が国の認可を得る必要があるが、この規制を無くし、民間の参入も認める。 15日に開催した食料・農業・農村政策審議会の食料産業部会(伊藤雅俊部会長、味の素会長)では、農水省が改革案を説明。委員からは賛同する声が上がった一方、農業関係者からは「改革の名にふさわしくない微調整に終わった印象」との指摘もあった。(土屋太朗) 【写真=農水省の食料産業部会で改革案を説明】