国交省/補正予算案、テールリフター補助を決定 導入経費の1/4→1/6 大口割最大50%を継続
行政
2017/12/25 0:00
国土交通省は2017年度補正予算で、トラック運送業の生産性向上に向け、テールゲートリフターの導入補助を再び実施する。ただ、予算額が前年度の3億6千万円から2億円に減額したため、補助額を導入経費の4分の1から6分の1に減らす。また、高速道路通行料金の大口・多頻度割引の最大割引率50%の臨時措置には107億円を計上し、19年3月31日まで継続する。(田中信也) 政府は22日、今年度補正予算案(公共事業費総額5兆9789億円)を閣議決定。「新しい経済政策パッケージ」で掲げる「人づくり」「生産性革命」の推進に加え、現下の財政需要も踏まえ、同省分として8337億円を計上した。施策の柱となる①災害復旧・防災減災事業への対応②生産性革命などに向けて実施すべき施策③総合的なTPP(環太平洋経済連携協定)など関連施策④そのほか喫緊の課題への対応――に予算を振り分ける。 生産性革命に向けた施策は、安倍晋三首相から「中小企業への集中的な支援」の要請があったことを受け、建設業、運輸業、造船業など中小規模事業者の多い業界向けに特化した。このうちトラック運送業の生産性向上には2億円を投入。業界の働き方改革を推進するため、荷役作業の効率化につながる支援機器として、16年度補正予算で計上したテールゲートリフターの導入補助を再度、実施する。 16年度の事業では、補助額を後部格納式・床下格納式30万円、アーム式・垂直式15万円に設定し、導入経費の4分の1を補助。対象は16年8月24日~17年3月31日に導入した機器で、1社当たり3台に制限していたが、希望者が多かったため、原則1社1台の交付となった。なお、アーム式・垂直式の申請は数%にとどまり、後部格納式・床下格納式が多くを占めた。 一方、17年度補正予算分では、事業費が減額されたため、一台当たりの補助額を経費の6分の1に縮小する。このため、後部格納式・床下格納式は一台当たり20万円に減額される見通し。申請の受付期間は、予算案成立後から17年度内に設定する見込みだが、今回も申請が殺到するとみられ、期限前に予算額を超過し、申請が打ち切られるケースも想定される。 大口・多頻度割引は、16年度分からETC2.0(次世代型自動料金収受システム)車載器の装着車に限定し、最大割引率50%が適用されているが、トラック運送事業者の生産性向上や働き方の改善を図るため、18年度は自動車運送事業者に限り、継続することが決まった。予算額は、16年度補正予算(17年度執行分)から2億円増の107億円。16年度分と同様、ETC2.0車載器の装着が条件となる。 物流関係ではこのほか、国際コンテナ戦略港湾のコンテナターミナルでヤード内荷役の生産性向上を図るため、1人のオペレーターが複数台のRTG(タイヤ式門型クレーン)を操作できるよう、「RTGの遠隔操作化の取り組みの加速」に5100万円を計上。また、酪農業・畜産業の競争力強化に向けては、「飼料用穀物の輸入拠点となる港湾整備」に31億8400万円を充てる。 【写真=期限前に予算額を超過し、申請が打ち切られるケースも】