国交省、圏央道など整備加速へ 大栄―久喜白岡 2→4車線化 財政融資1.5兆円要求
行政
2017/12/07 0:00
国土交通省は1日、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)や東海環状自動車道の整備加速に向け、財務省に対し、1.5兆円の財政融資を追加要求した。金融緩和に伴う低金利の状況を生かし、国の支援を拡大。開通時期のメドが立っていない区間を中心に工事を進め、大都市圏の物流効率化を実現する。圏央道では千葉県区間の開通を目指すとともに、2車線区間の4車線化も行う。(土屋太朗) 政策的な必要性があるものの、民間による対応が困難な事業に低金利で出資する財政投融資(財投)を活用。財投は、国債の発行などで調達した資金を財源にしている。国交省は今回、日本高速道路債務保有・返済機構(勢山広直理事長)に対する融資を要望。今後、財務省と詳細を詰め、財務省は、12月中にまとめる2018年度の財投計画に盛り込む方向だ。 金融緩和による低金利に加え、期間も40年間と長期にわたるため、同機構は1兆円程の金利負担の軽減を見込む。これにより、工事を行う高速道路会社の投資を拡大させ、高速道路網の整備加速を促す。 具体的には、圏央道と東海環状道を想定。圏央道では、大栄ジャンクション(JCT、千葉県成田市)―松尾横芝インターチェンジ(IC、山武市)の整備を進める。また、2車線区間の大栄JCT―久喜白岡JCT(埼玉県久喜市)を4車線にする。 一方、東海環状道は、高富IC(岐阜県山県市)―大野・神戸IC(大野町)などの開通時期が示されていない区間を対象とする。 1日の閣議後の会見で、石井啓一国交相は「圏央道や東海環状道の開通区間は、輸送効率が向上し、企業立地が進むなど生産性向上のストック効果が確実に発揮されている」と説明。その上で、「物流ネットワークの核となる高速道路の整備を加速することで、生産性を押し上げることが可能」との考えを示した。 また、11月の経済財政諮問会議(安倍晋三議長、首相)では、物流網の整備について、首相が「極めて重要だ」と石井氏らに社会資本の質を高める取り組みを強化するよう求めていた。 【写真=圏央道では千葉県区間の開通を進める(常総IC)】