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北運局など行政4機関、荷主むけ要請 連名で初 適正取引&労働時間順守 法令違反 チラシで解説

行政

2017/12/07 0:00

 北海道運輸局と北海道労働局、北海道経済産業局、公正取引委員会事務総局北海道事務所は、適正取引と労働時間のルール順守へ理解と協力を求める連名の文書を、元請けを含む荷主企業4305社に発送した。地方運輸局や労働局も同様の文書で荷主に適正取引の周知徹底を図っているが、行政4機関が連名で理解と協力を荷主に直接依頼するのは全国で初めて。(那須野ゆみ)  要請文書は11月28日発送。また、法令違反の恐れがある8項目を解説したリーフレット(チラシ)計10枚を添付した。  文書では、トラック事業を「国民生活と産業を支える重要な産業」と位置付け、長時間労働、低賃金の傾向などからドライバー不足が課題となっていることを指摘。改善基準告示により、荷主の指示などでの過労運転が認められる場合には荷主勧告制度が適用され、委託内容によっては独占禁止法や下請代金支払遅延等防止法に抵触する場合があることから、「運送委託者向けのチラシの趣旨を理解し、社内周知に協力を」と呼び掛けている。  北運局、北海道経産局、公取委道事務所の各機関によるチラシでは、法令違反となる事例を解説。①契約の内容を書面化できているか②荷待ち時間への対応を放置していないか③追加運賃・料金の負担を拒んでいないか④燃料費・人件費の上昇分の負担を拒んでいないか⑤有料道路の利用料金を負担しているか⑥一方的に低い運賃・料金で運送委託などを行っていないか⑦付帯業務に対して料金を支払っているか⑧労働時間を守れない運送を強要していないか――を呼び掛ける形式で、チェックポイントはイラスト入りで分かりやすく説明した。  更に、国土交通省と厚生労働省、全日本トラック協会(坂本克己会長)の連名による「荷主の皆さまへご存知ですか? トラックドライバーの労働時間のルールを」と記したチラシ2枚も添付。年内に追加発送することも予定している。  本紙取材に対し、北運局の大友晃司貨物課長は「改正標準貨物自動車運送約款をはじめ、荷主と事業者が協力して守るべきルールを広く荷主にも理解して欲しいとの願で、10月から着手。北海道トラック協会(奈良幹男会長)の会員には荷主名簿の提出を求め、協力をいただいた」とコメント。  一方、北ト協の奈良会長は「行政の強力な後押しをいただいた。結実させるためには事業者自ら、積極的な荷主交渉などの行動に踏み出し、若い労働力が集まる経営を目指さなければならない」と話している。 【写真=行政4機関による要請文書(右)と3機関によるチラシ】





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