大阪ト協、トラ日イベント休止 来年度 広報活動費が大幅減
団体
2017/12/04 0:00
大阪府トラック協会(辻卓史会長)は11月29日開いた交付金事業委員会(井上泰旭委員長)で、財政再建と組織の在り方に関する答申書を公表し、2018年度からトラックの日のイベントなど一部の事業を休止する方針を示した。府は対外広報、荷主懇談会といった事業を運輸事業振興助成交付金の対象として認めておらず、20日に公表した来年度当初予算要求額にも対外広報事業費などが盛り込まれていないため。交付金が増えるまで事業の一時休止に踏み切るが、再開の時期は未定だ。(蓮尾輝) 組織・財政等特別委員会(川端英治委員長)が答申書をまとめた。同協会は、算定式に基づく交付金の満額交付が得られない中、これまで近代化基金を取り崩して対処してきたものの、交付金特別会計の財政がひっ迫。今後の組織運営と財政の健全化を図るため、7月に同委を立ち上げ、議事の立案や取りまとめを行う小委員会も含めて議論を重ねてきた。 答申書では、休止する事業として①各支部が交通安全街頭指導キャンペーンに充てる交通安全指導費(17年度予算250万円)②荷主懇談会費(240万円)③セーフティーネット制度融資に関わる信用保証料助成(150万円)④労務問題研修会の費用などに充てる労務対策事業運営費(290万円)――を挙げた。これら事業の18年度予算はゼロ。中小企業大学校受講補助費(60万円)は、17年度実施負担分のみ計上する。 更に、地区輸送サービスセンター運営費も2304万円(17年度当初予算比20.0%減)と減額し、今後、段階的に削減していく。広報誌の発行費は、公開入札による見直しで600万円(50.0%減)に圧縮。広報活動費は200万円(84.6%減)と大幅に減らし、対外広報事業として行っていたトラックの日のイベント、児童絵画コンクールは休止する見通しだ。 一方、全国統一で実施するトラックドライバー・コンテスト県大会の経費(67万円)、全国大会への派遣費用(23万円)は維持。他団体と一緒に行う無事故・無違反チャレンジコンテストの負担金(90万円)も残す。 また、圧縮天然ガス(CNG)スタンドの維持費(510万円)や、近畿スマートエコ・ロジ協議会(石田修一会長、立命館大学大学院教授)への負担金、環境キャンペーンの経費を含む環境対策費(260万円)は、17年度予算と同額を見込む。 交付金事業委では、対外広報活動の見直しなどについて議論。委員から「会員は中小企業が大多数のため、個別の広報活動は難しい。対外広報には人材確保対策の側面もあり、打ち切るのは早計ではないか」との質問が出された。 これに対し、滝口敬介専務は「重要な事業であることは理解している。しかし、従来通りの方法で活動を続けるのは難しく、何らかの工夫をする必要がある。17年度は交付金事業を対象に見直したが、18年度からは一般会計を含め、全体の予算を見直したいと考えている」と応じた。 組織の見直しに関しては、将来ビジョンとして、12支部のどこに所属していても同様のサービスを受けられる体制づくりを設定。今後の検討課題には、小規模支部の再編や、本部と支部の職員の労働条件統一を挙げた。 信用保証事業については、16年10月の理事会で求償権の償却を9件実施したが、「代位弁済を行わなければならない事業者が今後も続くと、事業を維持できない可能性もあり、当分の間、新規受け付けの凍結などを議論すべき」と提案した。 懸案となっていた淡輪センター(大阪府岬町)売却の入札では、3社からそれぞれ3千万円、2850万円、1756万円で応札があったことを報告。上位から優先して交渉し、売却益は近代化基金に繰り入れる。 【写真=財政再建に関する答申書の内容を公表】