物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

東名高速―東北道、都心通過交通4割減 新料金導入後 「賢く使う」効果表れ 阪高東大阪線 渋滞ロス2割減

行政

2017/11/27 0:00

 国土交通省が21日発表した、高速道路の新料金体系導入後の交通状況によると、首都圏は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)などのネットワーク整備も相まって、東名高速道路から東北自動車道までの都心通過交通量が4割減るなど外側の環状道路への利用転換が進んだ。更に、首都高速道路の短距離利用が多くなり、一般道の利用も増加。一方、近畿圏でも、渋滞の激しかった阪神高速道路東大阪線の渋滞損失時間が2割減り、いずれも高速道路を「賢く使う」効果が表れている。(田中信也)  2016年4月に新料金体系がスタートした首都圏では、導入前の15年度と、16年度の交通状況の変化を分析。圏央道のほとんどの区間(神奈川県茅ヶ崎市-成田空港)が完成するといったネットワーク整備との相乗効果もあり、首都高全体の通過交通量は1割減少した。特に、東名高速-東北道は4割減り、大型車では6割減少するなど「都心の交通環境の改善に寄与した」と評価している。  また、起終点が同じならば経路が違っても同一料金とするなど、ルートによる料金差を無くしたことにより、東名高速-東北道では8割以上が圏央道の利用を選択。圏央道の内側を発着する交通でも、圏央道を使うケースが増えている。ただ、東名高速-常磐自動車道は、首都高経由よりも時間を要することから、圏央道の利用は25%にとどまっている。  更に、圏央道沿線では、大型物流施設の立地も促進。交通状況と併せて公表された、圏央道茨城区間の全通後6カ月のストック効果をみると、圏央道沿線の主な大型マルチテナント(複数企業入居)型施設は12年9月時点で7件だったが、5年後の17年9月には27件と4倍近くに増えている。  一方、6月3日から新料金体系を導入した近畿圏は、6~9月と前年同期の交通量を比較。全体では横ばいだが、長距離利用(30キロ以上)が0~4%減少したのに対し、短距離利用(12キロまで)は4~6%増加した。過度な交通集中が生じていた阪高東大阪線の交通量が1%減り、渋滞損失時間は17%削減されるなど渋滞緩和につながっている。  また、経路によって異ならない料金体系を導入したことで、第二京阪道路と大阪都心間の利用が5%増加。更に、大都市近郊区間の料金水準の見直しにより、第二京阪道路の利用も6%程度増えている。 【写真=都心の交通環境の改善に寄与(東名高速・横浜町田インターチェンジ料金所)】





本紙ピックアップ

ニュース深掘り/交付金法改正案の議員立法、与野党の審議大詰め

 軽油引取税の旧暫定税率廃止後、トラック運送、バス事業への運輸事業振興助成交付金の5年間継続などを規定する議員立法で、今国会での法案提出に向けた各党の協議が大詰めを迎えている。与野党各党とも前向きに検討しており、今国会で…

NS物流研/学生研究発表、海洋大・黒川ゼミV

 NS物流研究会(樋口恵一会長)主催の「物流関連ゼミ学生による研究発表会(全日本トラック協会、物流ニッポン新聞社後援)」が8日に開かれ、東京海洋大学の黒川久幸ゼミが優勝した。7校が参加し、準優勝は神奈川大学の齊藤実ゼミ、…

運輸労連/26年春季労使交渉、1万7300円中心に要求

 運輸労連(成田幸隆委員長)は、2026年の春季労使交渉での統一要求基準について、物価高対策と他産業との格差是正に向け、定期昇給分1.5%に賃金改善分5%を上乗せし、賃上げ率を24、25年を上回る6.5%、要求額は「1万…

トランコム、直荷主との取引に注力

 トランコム(神野裕弘社長、名古屋市東区)の求貨求車を行う「物流情報サービス事業」は、全国の物流企業と荷主を結ぶ仕組みとして長年同社の事業の中核となっている。1982年のサービス開始以来、「アジャスター」と呼ばれる営業ス…

オススメ記事

ニュース深掘り/交付金法改正案の議員立法、与野党の審議大詰め

 軽油引取税の旧暫定税率廃止後、トラック運送、バス事業への運輸事業振興助成交付金の5年間継続などを規定する議員立法で、今国会での法案提出に向けた各党の協議が大詰めを迎えている。与野党各党とも前向きに検討しており、今国会で…

NS物流研/学生研究発表、海洋大・黒川ゼミV

 NS物流研究会(樋口恵一会長)主催の「物流関連ゼミ学生による研究発表会(全日本トラック協会、物流ニッポン新聞社後援)」が8日に開かれ、東京海洋大学の黒川久幸ゼミが優勝した。7校が参加し、準優勝は神奈川大学の齊藤実ゼミ、…

運輸労連/26年春季労使交渉、1万7300円中心に要求

 運輸労連(成田幸隆委員長)は、2026年の春季労使交渉での統一要求基準について、物価高対策と他産業との格差是正に向け、定期昇給分1.5%に賃金改善分5%を上乗せし、賃上げ率を24、25年を上回る6.5%、要求額は「1万…

トランコム、直荷主との取引に注力

 トランコム(神野裕弘社長、名古屋市東区)の求貨求車を行う「物流情報サービス事業」は、全国の物流企業と荷主を結ぶ仕組みとして長年同社の事業の中核となっている。1982年のサービス開始以来、「アジャスター」と呼ばれる営業ス…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap