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新世通商、事故防止むけ積極投資 できること「全部やる」

物流企業

2017/11/09 0:00

 【滋賀】新世通商(尾上佳弘社長、滋賀県愛荘町)は、2004年の創業以来、「無事故の運送会社」を究極の目標に据え、人身事故ゼロを継続するとともに、事故防止と従業員のレベルアップ、輸送品質向上に積極的な投資を続けている。尾上社長(51)は「安全のため、できることは全部やる。それが当社の品質」と強調する。(小菓史和)  「たった一件の事故が、加害者と被害者だけでなく、多くの人の人生を変えてしまう」。尾上氏が小学校4年生の時、母が交通事故に遭い、一命は取りとめたものの、重い後遺症を負った。創業に当たって、「運送事業を営む以上、絶対に事故を起こしてはならない」と強く決意した。  起業直後の車両5台の時代から、携帯電話を活用した動態管理をいち早く導入し、ドライブレコーダーもすぐに採用。急ブレーキや急ハンドル、車体への衝撃をセンサーが感知すると、尾上氏の携帯電話にメールで知らせるシステムも採り入れ、安全運行に目を光らせる。  ドライバーとしての経験も豊富な尾上氏は「ドライバーを監視するわけではない。会社から離れて仕事をするドライバーにとって、常に見られているという適度な緊張感は、事故防止に大きな効果がある」と話す。連続運転時間が長いと感じると、ドライバーに連絡し、休憩を取るよう指示することもあるという。  また、車両の位置や状態をリアルタイムで把握することは、定時運行の徹底や不測の事態による延着防止にも有効で、荷主の信頼度アップにも貢献している。  ドライバー不足が深刻になる中でも、採用には細心の注意を払う。1次試験では、面接だけでなく、難度の高い一般教養テストも課す。2次試験に進むには、指定の教習所で技能検定を受け、更に医療機関で睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニング検査も受診しなければならない。これらの費用は、全て会社が負担する。  従業員にも、脳MRI(核磁気共鳴画像法)検査を含む健康診断を年2回実施。健診やSAS検査で加療が必要と判定された場合、治療費の助成を行うなど、従業員の健康管理面からも安全運行の徹底を図る。また、治療の必要は無いが、メタボリックシンドロームと判定された従業員には、減量目標を設定。クリアすると奨励金が支給されるユニークな制度も設けている。  「安全への意識はもちろん、マナーやモラルの高い人材しか採用しない。選考には、内定まで1カ月以上かかることもある。それだけに、従業員の定着率は高い」(尾上氏)。ドライバーの士気は高く、現在、12人いるドライバーのうち、7人が運行管理者資格を取得済みだ。  ハードへの投資も惜しまない。先進安全自動車(ASV)への代替を加速させる一方、ASV機能が付いていない車両には、全て衝突・車線逸脱警報装置を後付けしている。バックアイカメラに加え、サイドビューカメラの導入も進めており、将来的には全周囲カメラや、ドライバーの視点をチェックできる機器の導入も視野に入れている。  尾上氏は「ドライバーは常に事故の加害者になる危険を背負って仕事をしている。リスクを少しでも軽減し、福利厚生制度を充実させ、より良い労働環境づくりに努めるのは経営者の努め。そのための投資と努力は、無事故という最高の品質と荷主からの信頼となって還元されると信じている」と胸を張る。 【写真=将来的には全周囲カメラや、ドライバーの視点をチェックできる機器の導入も視野に入れる】





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