スワロートラック、TC&DCを複合化 羽村センター 来春メド 酒類の保管事業開始で 中間流通コスト圧縮
物流企業
2017/11/06 0:00
【東京】スワローグループのスワロートラック(藤川守社長、東京都江戸川区)は2018年春先をメドに、羽村物流センター(羽村市)で酒類の保管事業をスタートさせる。これに先立ち、増築棟において一部の日用品を在庫するサービスを受託。今後は通過型センター(TC)と在庫型センター(DC)が合体した複合拠点として本格的に機能させる。(沢田顕嗣) 同センターは開設してから間も無く5年を迎える。当初の青写真に従い、順調な稼働を続けており、7月からは既存取引先のドラッグストア並びに大手食品卸の業容拡大に応じ、増床スペース(延べ床面積6600平方メートル)の運用を開始している。 ドラッグストア向けには、メーカーと卸から入荷した日用品・化粧品などをマテハンで仕分けし、首都圏の125店舗に納めるサービスを提供している。今回の増床はドラッグストアの出店拡大戦略に備え、160店舗まで対応できる態勢を構築するのが主眼で、顧客ニーズを先取りした一手という。 増床を機に、作業ラインを10本から14本に拡充するとともに、仕分け方法を変更して人時(人員が仕事に従事する延べ時間)を2割削減する目標を設定。これ以外にも生産性を高める施策の一環で、オートラベラーを新たに導入している。 また、酒類はこれまでも同センターで取り扱ってきたが、中間流通コストの圧縮による仕入れ価格の引き下げとリードタイム短縮に寄与するため、保管業務を同センターで手掛ける効用をドラッグストアに対しても提案。年明けにも酒類をストックする新規事業に着手する。 併せて、サービスの安定供給を図る取り組みも強化している。借り上げ社宅を用意しているほか、店着時間や納品回数などの見直し交渉も精力的に行い、ドライバーの定着率向上と新規採用につなげている。 藤川社長は「荷主企業と一緒に発展していくにはどうすべきかを常に考えている。それには潜在ニーズをくみ取り、柔軟に対応していくことが大事。これからも期待に応えられるよう、時代や状況の移り変わりに目を凝らし、勉強する姿勢を堅持していきたい」と話している。 【写真=酒類の保管事業を手掛ける予定の羽村物流センター】