近海郵船、新造船「ましう」進水 来年3月 大型・省エネ体制整う
物流企業
2017/10/30 0:00
近海郵船(田島哲明社長、東京都港区)は、2018年3月までに常陸那珂(茨城県)-苫小牧(北海道)航路に新造RОRО船2隻を投入する。現行船と比べて大型化するとともに、電子制御式低速ディーゼル主機関などの搭載で省エネを実現。15年9月には既に敦賀(福井県)―苫小牧航路の就航船3隻のリプレースが終了しており、主力2航路での大型・省エネ船体制が整う。長距離輸送を中心に、トラックドライバー不足が顕在化している中、新船投入でモーダルシフト需要を積極的に取り込む。(高木明) 24日、現在常陸那珂-苫小牧航路に就航中の「ましう」の代替え船となる新造船「ましう」の、8月23日には同じく同航路に就航中の「まりも」の新造船「まりも」の、それぞれの進水式が行われている。「まりも」は18年1月、「ましう」は3月に就航を見込む。 新造船2隻は同型船で1万1200総トン。現就航船と比べて全長が12メートル、幅は3メートル長い。シャシー161台、乗用車109台の積載能力を持ち、最新の船体動揺を減じる装置を備えることで積載貨物の安全輸送が可能となった。常陸那珂―苫小牧航路は川崎近海汽船との共同運航により、1日2便体制によるシャトル・サービスを提供している。 近海郵船では常陸那珂―苫小牧航路に先立ち、15年1~9月に敦賀―苫小牧航路の就航船3隻を総入れ替えした。「ひだか」「つるが」「ほくと」で、いずれも新造船「まりも」「ましう」の同型船となる。現在3隻によって1日1便体制で運航している。 内航海運業界は、長距離輸送を中心としたドライバー不足やモータルシフト機運の盛り上がりなどから、雑貨輸送は漸増傾向にある。16年度は前年度比1.6%増の2728万トンを運んだ(日本内航海運組合総連合会調べ)。近海郵船は「新造船2隻の就航により、スペース不足の解消とともに、旺盛なモーダルシフト需要に対応したい」としている。 【写真=船体動揺を減じる最新の装置を備え】