厚労省、過労死対策見直し着手 目標値変更など論点
行政
2017/10/30 0:00
厚生労働省の有識者会合は26日、過労死防止対策に関する法律や大綱の見直しに向けた検討に着手した。週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下にするといった現行の目標値の引き下げなどが論点になりそうだ。終業から始業まで継続した休息期間を確保する「勤務間インターバル」など新たな制度に関する項目が増える可能性も高い。2018年夏ごろまでの取りまとめを目指す。 同日、過労死等防止対策推進協議会(岩村正彦会長、東京大学大学院教授)を開き、今後の過労死防止対策の進め方について議論した。 過労死等防止対策推進法は、14年11月に施行。同法に基づいて策定された過労死等の防止のための対策に関する大綱は、15年7月に閣議決定された。 同法がスタートして3年が経過することから、協議会では19年の概算要求をまとめる18年夏ごろまでに、対策の見直しを図りたい考え。見直しの内容に応じて、大綱や法律の改正につなげていく。 26日の協議会では、1週間の労働時間が60時間以上の雇用者の割合を5%以下にする目標に関する意見が多く出た。中には、「1日当たり8時間労働で週5日勤務だと、週60時間では1カ月で80時間の残業を認める計算になる。これでは週60時間にしたところで過労死は無くならない」など、目標値を厳しくするよう求める声が相次いだ。(土屋太朗) 【写真=来夏ごろの取りまとめを目指す】