大阪ト協海コン部会、偏荷重の影響訴え 阪高の軸重違反検知を受け
行政
2017/10/30 0:00
大阪府トラック協会の海上コンテナ部会(山口与嗣雄部会長)は24日、阪神高速道路(幸和範社長、大阪市中央区)に対し、車両制限令違反への取り締まりの在り方などに関する申し入れを行った。特殊車両通行許可を取得していたにもかかわらず、「料金所の自動軸重計で違反が疑われる数値が検知された」として、阪神高速から指導警告書が送付されるケースが多発していることを問題視。コンテナ内の偏荷重の影響などを訴えるとともに、改善を求めた。(小菓史和) 山口部会長、上橋将良副部会長らが阪神高速大阪管理局(大阪市港区)を訪問。阪神高速からは大阪管理局総務・管理部の桧垣正和交通担当部長らが出席した。 山口氏は「我々の積み荷は国際海コンであり、SOLAS条約(海上人命安全条約)に従うとともに、国内法令も順守して輸送している」と強調。その上で、「最大重量はコンテナの自重を含め30.48トンが厳守されており、違反となる軸重が検知されるのは、走行中における重心移動の影響か、コンテナ内の偏荷重しか考えられない」と訴えた。 また、特車通行許可を取得しても、指導警告書が送付されれば、その都度弁明が必要なことについて「部会員の事務処理を著しく煩雑にしており、日常業務に悪影響を与えている」と改善を求めた。 これに対し、阪神高速側は、違反が疑われる数値が検知された場合、車限令に従い、指導警告する立場にあることを改めて説明。数値の検知から指導警告書の発出、弁明書の提出から審査結果の通知までに、それぞれ2カ月程度要している点については、データの精査や、高速道路6社とデータを共有する上で事務処理などに時間がかかることを挙げ、理解を求めた。 部会側は、特車通行許可までに3、4カ月もかかる現状を踏まえ、取り締まりへの配慮を求めたが、阪神高速側は「たとえ、問題なく許可される予定であっても、実際に許可証がなければ、違反とせざるを得ない」と回答した。 終了後、同管理局の交通管理課は取材に応じ、「事業者の皆さんが置かれている現状や問題の切実さは受け止めた。他の高速道路会社とともに、問題点として共有していきたい」とコメント。 一方、山口氏は「(海コン輸送における車限令の取り扱いに対し)規制緩和できないか、近日中に国土交通省へ陳情する準備も進めており、引き続きこうした問題の解決に鋭意取り組んでいく」と述べた。 【写真=山口部会長(右から4人目)、上橋副部会長(右から2人目)らが現状を説明】