物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

ヤマト運輸、電気小型トラ導入 ふそうeキャンター 年度内に首都圏で25台

物流企業

2017/10/23 0:00

 ヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)は、三菱ふそうトラック・バス(マーク・リストセーヤ社長兼CEO=最高経営責任者、川崎市幸区)の電気小型トラック「eキャンター」の使い勝手などを検証し、本格導入を検討していく。2017年度中に首都圏で25台を導入する。19日、ヤマト運輸の羽田クロノゲート(東京都大田区)で引き渡し式が開かれた。  eキャンターは、三菱ふそうが世界で初めて量産化した電気トラック。環境性能に優れ、「想定し得るも厳しい状況下」(三菱ふそう)でもフル充電で航続距離は100キロメートルを超える。  ヤマト運輸の阿波誠一常務執行役員は「新しい仕組みや技術を取り入れながら、環境面、コスト面、そして最もドライバーの視点に立った新しい車を積極的に取り入れようという中で、かなり性能の高い素晴らしい車を導入できた」と述べた。  三菱ふそうの松永和夫会長は「地球環境問題には、世界が相当な力を持って取り組まなければならない。京都議定書締結から20年の節目の年に、世界で初めて電気トラックを量産化できたことを大変誇りに思っている。日頃、我々を育てていただいているユーザー、ドライバーの叱咤激励と貢献の結果でもある」とあいさつした。  今回、リース契約で11月から順次導入する25台の内訳は東京都23区15台、神奈川県5台、千葉県3台、埼玉県2台。2、3トンクラスのトラックで、準中型自動車免許でも運転できる。3温度帯の冷蔵冷凍車やドライ専用車など五つの形態で使用する。  電気トラックは排出ガスを一切出さず、環境負荷に大きく貢献する。振動が少ないため、セールスドライバー(SD)の身体的な負担も軽減できる。燃料は使用せず、従来のディーゼル車に搭載されていた排ガス除去装置なども不要で、ランニングコストが低減する。  ふそうは今期、国内、米国、欧州で各50台の電気小型トラックを投入。来期以降の生産について、松永氏は「ユーザーの意見を聞きながら判断することになると思うが、方向性は生産量拡大だ」と述べた。  なお、eキャンターは同日、セブン―イレブン・ジャパン(古屋一樹社長、東京都千代田区)にも25台納入された。12月に導入を始め、18年夏までに東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の8カ所で使用する。(高橋朋宏) 【写真=三菱ふそうの松永会長からレプリカキーを受け取る阿波常務執行役員(右)】





本紙ピックアップ

道北生乳輸送、将来の輸送力維持懸念

 北海道で生乳輸送の維持が課題となっている。毎日の稼働が前提となる上、酪農が盛んな地方部は人口が少なく、ドライバーを確保しづらい。特に都市間の距離が長い道北地域では、事業者は様々な方法で対応を模索している。一方、タンクの…

グローバルコミュニケーション協組/台湾人ドライバー、教育徹底受け入れ推進

 外国人技能実習生受け入れ監理団体のグローバルコミュニケーション協同組合(中村義文理事長、広島県呉市)は、台湾人ドライバーの受け入れを推進している。台湾は外免切り替え制度の特例対象国・地域に含まれ、技能・学科試験免除で切…

マグチグループ、大阪万博3カ月で渋滞・物流の混乱見られず

 大阪・関西万博の開幕から3カ月が経過し、会期も折り返しに入った。会場の夢洲(ゆめしま)や周辺道路では当初警戒されていた大規模な渋滞や物流の混乱は見られず、一種の静けさすら漂っている。万博の物流の前半について、住友倉庫グ…

SST/パレタイズ荷物の共配、年度内22線便→80線便

 パレタイズされた荷物をパレット単位から、幹線で定時・大量に共同配送するオープンプラットフォーム(OPF)を運営するヤマトグループのSustainable Shared Transport(SST、高野茂幸社長、東京都港…

オススメ記事

道北生乳輸送、将来の輸送力維持懸念

 北海道で生乳輸送の維持が課題となっている。毎日の稼働が前提となる上、酪農が盛んな地方部は人口が少なく、ドライバーを確保しづらい。特に都市間の距離が長い道北地域では、事業者は様々な方法で対応を模索している。一方、タンクの…

グローバルコミュニケーション協組/台湾人ドライバー、教育徹底受け入れ推進

 外国人技能実習生受け入れ監理団体のグローバルコミュニケーション協同組合(中村義文理事長、広島県呉市)は、台湾人ドライバーの受け入れを推進している。台湾は外免切り替え制度の特例対象国・地域に含まれ、技能・学科試験免除で切…

マグチグループ、大阪万博3カ月で渋滞・物流の混乱見られず

 大阪・関西万博の開幕から3カ月が経過し、会期も折り返しに入った。会場の夢洲(ゆめしま)や周辺道路では当初警戒されていた大規模な渋滞や物流の混乱は見られず、一種の静けさすら漂っている。万博の物流の前半について、住友倉庫グ…

SST/パレタイズ荷物の共配、年度内22線便→80線便

 パレタイズされた荷物をパレット単位から、幹線で定時・大量に共同配送するオープンプラットフォーム(OPF)を運営するヤマトグループのSustainable Shared Transport(SST、高野茂幸社長、東京都港…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap