気象協会北海道支社、災害に強い物流考える 道路情報「早く知らせて」
産業
2017/10/23 0:00
【北海道】日本気象協会北海道支社(佐藤隆光支社長)は13日、札幌市で「気象災害に強い道路と物流を考える」と題したシンポジウムを開いた。パネルディスカッションが行われ、「通行止めなどの情報を早めに知らせて欲しい」といった発言が出された。(那須野ゆみ) 佐藤支社長が「物流は産業や市民生活を支え、道路は物流を支えている。特に冬場は、吹雪や路面凍結など厳しい気象条件が加わるので、北海道の物流は気象に大きな影響を受けているのが現状。市民生活や産業、経済を守るため、本日のシンポジウムが気象災害に強い物流を考えていくきっかけになればと願う」とあいさつ。 北海道大学大学院の萩原亨教授は「頻発する気象災害から、北海道の道路と物流をどう守るか」をテーマに講演した。 パネルディスカッションでは、ヤマト運輸北海道支社の桑山康彦マネージャーと北海道物流開発の斉藤博之会長のほか、北海道開発局、道建設部、東日本高速道路北海道支社、気象協会道支社から担当者がパネリストとして出席。コーディネーターを萩原氏が務めた。 桑山氏は、昨夏の台風などによる被害で、国道274号日勝峠や道東自動車道までが通行止めになった当時の状況について「通常3時間で着くところを、迂回(うかい)を余儀なくされ7時間も要した」と紹介。道東道の4車線化の必要性と合わせ、通行止めや解除の情報を「もっと早く知らせてもらいたい」と述べた。 また斉藤氏は、気象データを利用したアイスクリームの出荷量調整や道内物流の現状について触れながら、「運ぶ人、売る人、買う人が情報とリスクを共有することが大切」と発言し、桑山氏の「通行止めや解除の情報を早く」との意見に賛同した。 最後に、北海道道路管理技術センターの岳本秀人専務が「気象予測の技術的進歩がリスク減につながる。物流が滞ることのないよう迅速できめ細かな情報発信に努力したい」と語った。 【写真=ヤマト運輸北海道支社の桑山マネージャー(左から3人目)らがパネルディスカッション】