中部運局など、トラガールと「女子会」 乗車体験会で就業後押し 「業界は厳しいだけじゃない」
行政
2017/10/23 0:00
【愛知】中部運輸局は9日、中部トラック協会(小幡鋹伸会長)と中部ブロック青年部協議会(伊藤将志代表幹事)、愛知労働局とともに、中部トラック総合研修センター(愛知県みよし市)で女性限定のトラック乗車体験会を共催した。愛知、岐阜、三重の各県から22人が参加。10社から11人のトラガールが協力した。乗車体験の後は男子禁制の女子会(座談会)で実際の職場環境やトラックの魅力を語り合い、盛り上がるなど、女性の業界進出を強力に後押しした。(梅本誠治) 伊藤代表幹事が「我々の業界は日本経済を支える全ての産業に関わっており、車種は軽トラックからトレーラまで様々。女性の活躍も日々増えているので、今日はいろいろな車種に試乗して、就業について考える有意義な時間にしてもらいたい」とあいさつ。 会場には愛知、静岡から中型、大型各3台、トレーラヘッド2台、石油ローリー、キャリアカー、21メートルフルトレーラ各1台の11台が集結。ウィングの開閉操作や、キャリアカーに乗用車を積載するデモンストレーション、トラガールとの同乗体験に活用した。 乗車体験は3班に分かれ、研修センターの乗用車を使ってスリップゾーンでの急ブレーキ体験を行った。また、車両見学では、それぞれのトラックに乗るトラガールが車両の特徴や運転の注意点などを説明。運転体験では研修センターの教習車両を用い、インストラクターが同乗して所有免許に応じたサイズのトラックでコースを回った。 トラガールとの「女子会」では、お茶やお菓子を用意し、愛知県トラック協会青年部会(西影篤範部会長)の細江良枝副部会長がコーディネーターとなって進行。参加者からは「どんな性格の人が多いか」「女性ドライバーとして困ったことは」などの質問が寄せられ、それぞれ「サバサバした人が多い」「トイレ関係は、男女共用で嫌な思いをしたことがある」といった感想が上がった。 また、仕事と家庭の両立や、男性社会での立ち位置などの心配、景気変動による仕事の増減、事故を起こした際の査定など、多くの疑問が出た。 このほか、ざっくばらんに話し合い、将来的に運行管理者などへステップアップする可能性も示唆。その上で「女性として嫌な思いをすることがある一方、多くの人の助けもあり、厳しいだけの業界じゃない」とした。 西影部会長は「今日の体験会が、女性にとって少しでもトラック業界のイメージアップにつながり、就業先の候補として目を向けてもらえればありがたい。我々も、女性が働きやすい職場づくりを日々目指しているので、一人でも多くの人が業界の門を叩いてくれることを願っている」と締めくくった。 【写真=男子禁制の女子会(座談会)で実際の職場環境やトラックの魅力を語り合う】