物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

髙野商運、新物流センター稼働 県内初の根菜熟成&長期保管 託児施設など備え

物流企業

2017/10/19 0:00

 【栃木】髙野商運(髙野和久社長、栃木県さくら市)は5日、矢板南産業団地(矢板市)に県内初のキュアリング貯蔵施設と託児施設を備えた物流センターを開所した。新センターは16日から稼働し、グループ企業3社4事業部の配車機能を集約。髙野グループの中核物流拠点として運用する。(佐々木健)  センターの敷地面積5万3千平方メートルで、東北自動車道の矢板インターチェンジと国道4号線の至近に位置。延べ床面積8千平方メートルの高床式センター棟と、延べ床面積2千平方メートルのキュアリング貯蔵施設を持つ定温倉庫棟を備えている。  センター棟は在庫保管・通過型共用の配送センターとして使い、生活雑貨のほか、化成品などを扱う。キュアリング貯蔵施設は庫内の温湿度を電子制御し、サツマイモやカボチャなどの根菜類を保管。熟成させながら長期保管が可能で、県内の運送事業者では初導入の施設になるという。  事務棟内には、0~5歳児15人を預けられる託児施設を設置。開所式で、髙野社長は「今回力を入れたのは、事務棟だ。社員が気持ちよく働ける環境を整備するため、内閣府の企業主導型保育事業として、小さいながらも託児所を開設した」と報告。  更に、「自分は18歳で参入して以来30年間、業界の変化を見てきたが、常に人手不足であり、このままでは業界が先細りになるという危機感を抱いてきた。今まで育てくれた荷主に、車と人を安定的に供給するのが髙野商運グループの使命と人集めに奔走していたが、違和感があった。人を育てる視点を忘れていた。その思いを、少しだが、形にしたと思っている」と語った。  更に、事業展開について「来月初めにグループ内に、宅配事業で問題になっているラストワンマイルを専門に手掛ける新会社を設立する。大手だけでは物量を処理できない現状が浮き彫りになってきた。地域中小の我々が受け皿を作っておかなくては、いずれ物流パニックが起きる。人の育成から足回りまで手掛けようとしている会社が、ここ栃木の地にあると全国に示したい」と説明した。  スナックフード・サービス(宇都宮市)の松元久志社長は「髙野商運との取引は、45年に及ぶ。今やセンターを構え、総合物流を展開しており、ともに成長を目指したい」と音頭をとって乾杯し、新センターの完成を祝った。 【写真=託児施設を備えた事務棟と床面積8千平方メートルのセンター棟】





本紙ピックアップ

備蓄米放出で保管料逸失、倉庫業者支援の動き

 備蓄米の放出を巡り、本来収受するはずの保管料を失った倉庫業者への支援に向けた動きが出始めている。5月28日の衆院農林水産委員会で、小泉進次郎農林水産相が「倉庫業者の現状に配慮しつつ、どのような対応が可能か省内で検討して…

丸全昭和、全トラックにAIドラレコ

 丸全昭和運輸は5月までに、グループ全社のトラック822台への高精度AI(人工知能)搭載ドライブレコーダーの装着を完了させた。6月中には社用車を含む全保有車両1500台に装着する。危険運転を検知し即警告する機能を持つもの…

全軽協と新スマート物流協、過疎地域の物流課題解決へ勉強会

 全国軽貨物協会の西田健太代表理事は5月27日、過疎地域などの物流課題の解決に向け、自治体版のCLO(物流統括管理者)の必要性を示した。物流企業からの出向者をCLOに登用し、ビジョン策定や体制構築を担ってもらう。併せて、…

マルゼングループ協組と八代丸善運輸、産業団地に第2センター

 丸善海陸運輸(古賀大輔社長、福岡県久留米市)を中核とするマルゼングループ協同組合(同代表理事)と八代丸善運輸(寺口賢社長、熊本県八代市)は1日、宮崎県えびの市のえびのインター産業団地でえびの第2物流センター(2期工事)…

オススメ記事

備蓄米放出で保管料逸失、倉庫業者支援の動き

 備蓄米の放出を巡り、本来収受するはずの保管料を失った倉庫業者への支援に向けた動きが出始めている。5月28日の衆院農林水産委員会で、小泉進次郎農林水産相が「倉庫業者の現状に配慮しつつ、どのような対応が可能か省内で検討して…

丸全昭和、全トラックにAIドラレコ

 丸全昭和運輸は5月までに、グループ全社のトラック822台への高精度AI(人工知能)搭載ドライブレコーダーの装着を完了させた。6月中には社用車を含む全保有車両1500台に装着する。危険運転を検知し即警告する機能を持つもの…

全軽協と新スマート物流協、過疎地域の物流課題解決へ勉強会

 全国軽貨物協会の西田健太代表理事は5月27日、過疎地域などの物流課題の解決に向け、自治体版のCLO(物流統括管理者)の必要性を示した。物流企業からの出向者をCLOに登用し、ビジョン策定や体制構築を担ってもらう。併せて、…

マルゼングループ協組と八代丸善運輸、産業団地に第2センター

 丸善海陸運輸(古賀大輔社長、福岡県久留米市)を中核とするマルゼングループ協同組合(同代表理事)と八代丸善運輸(寺口賢社長、熊本県八代市)は1日、宮崎県えびの市のえびのインター産業団地でえびの第2物流センター(2期工事)…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap