北海道、自動走行ビジネス活用 運輸業者の提案具現化 北ト協など6団体参画 需要掘り起こし狙う
行政
2017/10/19 0:00
北海道は、全国に先駆けて自動走行に向けた取り組みを加速させるため、運輸事業者からアイデアを募集し、開発に生かす。実現可能な提案については、自動走行の研究・開発を行う企業に提案するなどして具現化を目指す。16日、自動走行のビジネス活用に向けた需要の掘り起こしを目的に「北海道自動走行ビジネス化調査研究プラットホーム」を立ち上げ、方針を示した。(那須野ゆみ) 参画したのは、北海道トラック協会(奈良幹男会長)のほか、地元のバス協会やハイヤー協会など6団体。アドバイザーを北海道経済連合会(高橋賢友会長)、北海道開発局、北海道運輸局が務め、テクニカルパートナーとしてエィ・ダブリュ・ソフトウェア(伊藤康伸社長、札幌市厚別区)も参加した。 自動走行の実用化に向けて、道がいち早く動き出した背景には①全国最多(28)のテストコースの集積②広大な土地や寒冷な気候を生かした多様な実証実験が可能③理系大学など研究機関やIT(情報技術)企業が集積④交通事故抑止、高齢者や観光客の移動手段確保、冬道対策など自動走行に関する多くの実証テーマが存在――といった要因がある。 今後は、運輸事業者からアイデアを募集し、実現可能な提案については具現化を目指していく方針。また、主な実施事項としては①自動走行技術のビジネス活用に関する調査・研究と情報収集・共有②北海道自動車安全技術検討会議の取り組み推進に向けた情報収集・共有③その他の自動走行プラットフォームの目的達成に必要な事項――を掲げた。 会議の冒頭で、道経済部産業振興局の野村聡局長は「自動走行への期待と不安、課題が交錯している中で、メーカーによる研究、テストランは右肩上がりに増えている。車が必需品とも言える北海道で、自動走行の実現に向けて取り組んでいきたい」とあいさつ。 意見交換では、北ト協業務部の伊藤慎次長が「トラックは様々なモノを運んでおり、自動走行の実現にはまだ時間を要すると思う。構内の移動など限定された場面で応用できるようになれば、省力化や効率化につながるので期待したい」と強調した。 【写真=今後は、運輸事業者からアイデアを募集】