幸運HD、整備工場・倉庫が竣工 傘下企業の全車両点検 拠点集約しシナジー高め
物流企業
2017/10/16 0:00
【長崎】幸運トラック(馬場邦彦社長、長崎県大村市)を中核企業とする幸運ホールディングス(同)は9月29日、本社隣接地に建設を進めてきたグループの整備工場と倉庫を竣工させた。(上田慎二) 幸運HD傘下のアヤカ自動車(同)の新整備工場(床面積540平方メートル)は、500台を超えるグループ全車両の整備や法定点検を担い、グループ企業に限らず大型車や乗用車の車検整備なども手掛ける。 整備工場には、大型トラックやバスを格納できる大型塗装ブースを建設。ゴミやホコリを遮断し塗装品質を高める一方、塗料の飛散を防ぎ、整備士の健康に配慮した環境を整えた。 2~4トン車整備用の2柱リフトを導入。工場内の柱に溶接用電源を配置し、作業効率を高めた。照明にはLED(発光ダイオード)ライトを採用したほか、採光窓も設置。排水は2基の分離槽を用いて処理するなど、環境対策を重視している。 幸運トラックの新倉庫「幸運大村第一倉庫」は床面積が660平方メートル。2基の天井走行クレーン、幅広の庇(ひさし)、自動シャッターなどを備え、精密機械や家電、日用品など多様な貨物の入出庫に対応する。 トラックの動態・庫内温度管理システムをクラウド方式に刷新。入出庫管理や配送、物流加工を含むサードパーティー・ロジスティクス(3PL)事業を推し進めていく。整備工場の2階建て事務所棟には、個室のベッド付き仮眠ルーム6部屋、シャワールーム、コミュニケーションルームを設け、福利厚生面を充実させた。 整備工場と倉庫の稼働に合わせ、HD傘下のアヤカ自動車、アヤカエキスプレス(馬場社長、大村市)、長一運送(藤野理沙社長、同)、は、それぞれの本社機能を幸運トラック総本部に移転。また、アヤカ自動車新整備工場2階にアヤカエキスプレスと長一運送がそれぞれ事務所を置き、グループの拠点集約によるシナジー効果を高めていく。 幸運HDは、九州、関西、中京、関東、東北の各地に拠点を構え、長距離輸送を展開しており、九州管内の拠点整備を推進。2016年10月には、佐賀県鳥栖市に長距離輸送の拠点を開設した。18年春には長崎県波佐見町に営業所を設け、中継輸送の拡大や長時間労働の抑制、福利厚生の充実を図っていく。 事故防止対策では、「トラック走行距離300万キロ」を目標に掲げ、車両の保守管理体制を強化。車を大切にする社風を醸成し、故障や事故を未然に防ぐ予防整備で無事故・無災害を目指していく。 【写真=新整備工場(右)では、グループに限らず大型車や乗用車の車検整備なども手掛ける】