センコン物流、農業6次産業化めざす、規格外の産直品販売 仙台にモデル店舗を開設
物流企業
2017/10/16 0:00
センコン物流は農業ビジネスを強化している。5日には、グループ会社のG・Fジャパン(久保田晴夫社長、宮城県名取市)が「こだわり市場」の店舗を仙台市内にオープンし、全国から産地直送された青果物や水産物、コメなどの販売を開始した。生産から集荷、販売までを手掛ける農業の6次産業化を具現化するモデル店舗で、本業の物流を持つ強みを生かし、全国展開を目指す。(黒田秀男) 生産者にも目を向けた流通を――。農産物の流通で、生産農家にとって大きな問題は「規格外」の農産物だ。一般的に市場で流通する商品にはサイズや形状などに規格があり、規格外は品質に関係無く廃棄処分となる。その量は生産物の4割とも言われている。農家にとっては収入が不安定となり、選別に費やす労力も必要となる。また、流通に伴う物流コストもネックになっている。 G・Fジャパンでは、こうした課題を解消する農業の6次産業化に取り組んでいる。全国の生産農家に対して「全量買い取り」の委託生産契約を結び、農家が安心して生産に専念できる体制をつくり、本業の物流を生かして商品を集め、店舗などで販売。宅配やネット販売も行う計画で、生産から仕入れ、物流、販売までの新しい一貫流通システムの構築を目指す。 こだわり市場は仙台市太白区柳生に第1号店として開業。同事業のパイロット的な店舗でもある。地元ホームセンターの敷地の一角を借り受け、売り場面積580平方メートルの店舗を設けた。産地直送として全国の野菜や果物、コメ、水産物などを新鮮な状態で販売。長さや形、見栄えなどで規格外となる商品を数多く取りそろえ、格安価格で提供。一般消費者だけでなく、飲食店などの業務用にも販売している。 同日は屋外イベントも行われ、大勢の買い物客が詰め掛け、新鮮で格安の野菜や果物を購入していた。 本紙の取材に対して、センコン物流の会長を務める久保田社長は「生産農家にも目を向けた流通を目指す。過疎化が進む中で、生産農家が安定収入を確保できれば、後継者が育ち、農業振興が進み、ひいては地域の活性化にもつながる。本業の物流を生かし、生産者も消費者も満足できる仕組みをつくりたい」と語った 【写真=仙台市にオープンした産地直送「こだわり市場」の第1号店】