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輸出コンテナ総重量計測、申告電子化を検討 対象項目選別へ調査 国際動向踏まえ整備

行政

2017/10/16 0:00

 国土交通省は11日、輸出コンテナ総重量の計測方法の品質強化や電子データによる総重量の申告を検討するための有識者会議を立ち上げた。まずは2017年中に、搬入票に記載する情報などについて実態を調査。海外では総重量の申告の電子化が一般的であるとともに、計測の基準を日本よりも厳しく設定している国もあることから、国際的な動向を踏まえて環境整備を図り、コンテナ輸送の安全性向上につなげる。18年6月の取りまとめを目指す。(土屋太朗)  同日、「国際海上輸出コンテナの安定的な輸送に必要な重量確定・情報伝達等のあり方に係る検討会」(岡泰資座長、横浜国立大学大学院准教授)の初会合を開き、今後の検討方針などを示した。  輸出コンテナ総重量の誤申告による荷崩れ事故の防止を目的に、16年7月、輸出コンテナ総重量の確実な計測を求める改正SOLAS条約が発効。荷主やフォワーダーなどの荷送り人は決められた方法で総重量を計測し、船長やターミナル代表者へ情報提供することが義務化された。船長などに情報提供されなかった場合は、コンテナの船積みが禁止される。  計測方法は、実入りコンテナを決められた計量器で測るやり方と、コンテナとコンテナ内の貨物を個別に計量し、合計して割り出す方法の2通り。実入りコンテナを測る計量器は、ターミナルでの設置場所が限られてしまうことなどから、日本ではコンテナと貨物を足し合わせる方法が多く採用されている。  検討会では、改正条約の発効から1年以上経過したことを受け、国際動向を踏まえつつ、コンテナ輸送の更なる安定輸送に向けた環境づくりを目指す。  例えば、日本では確定した総重量を船長などに伝える際、紙による「搬入票」を使うケースがほとんど。一方、諸外国では電子データの活用が主流だ。貨物を積み替えるトランシップの場合など、こうした手法の違いで情報共有が図りづらくなっている。  このため、検討会では、まず関係者へのアンケートやヒアリングを通じて、搬入票に記載する情報などについて調査。今後、電子化を普及させていく場合、どの項目を対象にするか――などの参考にする。  また、総重量の計測に関して厳しい品質基準を設けている国もあることから、荷送り人に高品質な計測を促すような仕組みの構築も検討。現在、同省のホームページで公表している荷送り人の情報については、公表項目の拡大なども視野に入れる。  なお、9月末時点で、総重量を自ら確定する荷送り人は3659者。荷送り人から委託を受けて計測する登録確定事業者は1443者いる。登録確定事業者は3年ごとに更新を受ける必要があるため、同省は初回更新のピークを迎える19年4~6月までには、環境整備を図りたい考えだ。 【写真=18年6月の取りまとめを目指す】





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