AEO通関業者が急増 申告官署「自由化」受け
行政
2017/10/16 0:00
輸出入を申告する税関を自由に選べる制度が8日から始まったことなどを背景に、通関業者や輸出入事業者によるAEO(認定事業者)の認定取得が加速している。新制度の利用がAEO通関業者とAEO輸出入業者に限られているため、認定事業者が急増。12日時点でAEO事業者数は643者となり、2016年4月1日時点に比べ10.2%増えた。中でも、AEO通関業者は43.6%増の171者と高い伸びを示している。(土屋太朗) 申告官署を自由に選べるようになることで、通関業者や輸出入事業者は、業務集約による効率化やコスト削減が見込める。例えば、大阪税関管内に置いた貨物でも東京税関管内への申告が可能になるため、貿易の円滑化にもつながる。AEOに認定されることで、税関手続きの簡素化などの優遇措置を受けられるが、申告官署の自由化により、新たな取得メリットが打ち出された形だ。 新制度が8日に始まるのをにらみ、通関業者を中心にAEOの取得が相次いだようだ。輸出入や倉庫などのAEO事業者数は横ばいのペースで進んでいるものの、AEO通関業者は4月1日時点で21.0%増と大幅に拡大。4月以降をみても、10月12日までに27者増えている。 財務省によると、認定に対する相談も多く、「ここ最近は、通関業者を中心に200超の問い合わせがある」(関税局業務課)という。今後、認定事業者が更に拡大する余地は大きい。 現在、通関業者は900社ほどあるが、AEO通関業者は171者と全体の2割弱にとどまる。しかし、申告件数ベースでみると6割が認定取得者で、AEO事業者の存在感は高まっている。同省は「(AEO制度を持つ2国間がそれぞれに事業者を認定する)相互承認制度もある。しばらく拡大傾向が続くと思うが、審査はしっかりと行っていく」(同)としている。