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取引労働改善兵庫協/パイロット事業、客観的データが重要待機時間更なる効率化が課題

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2017/10/09 0:00

 【兵庫】取引環境・労働時間改善兵庫県地方協議会(小谷通泰座長、神戸大学大学院教授)は9月27日、2017年度のパイロット事業について、長時間労働の要因や改善メニューの検討を経て、10月にも2回目の検討会を行う工程を示した。現場実態及び問題点の確認後、対応策をまとめる。  17年度は、16年度の対象集団に着荷主を加えて臨んでおり、事業の深掘りを追求する。発荷主は、神戸製鋼所高砂製作所(高砂市)、元請運送事業者が神鋼物流(岩佐道秀社長、神戸市中央区)、三輪貨物自動車(波戸岡俊雄社長、加古川市)下請運送事業者は日笠運送(堀部和成社長、高砂市)と、新たに着荷主の神戸製鋼所茨木工場(大阪府茨木市)で編成している。  16年度の実証実験を踏まえ、より効率的な運搬作業計画の策定を重点課題に設定。雨天時の荷積み作業(手待ち時間を含む)の短縮化について再検討する。  茨木工場では、手待ち時間を含めたトラックドライバーの長時間拘束は把握していない。同工場は、製品メニューが多いため、荷下ろしに順番があり、待機場や誘導ルートもある程度整備されている。しかし、キャパシティー不足は否めず、対応が難しいのが実情となっている。  下請事業者の見解では、待機時間、着時間の融通性に特段問題はなく、課題として効率化による更なる時短を挙げた。  委員の運送事業者からは「やればできるが、荷主のメリットも必要。荷主の理解度がポイントになる」「新たな標準貨物自動車運送約款の運賃では、シート、ロープなど通常、運送事業者が備えている積み付け用品による作業を含めている。これは、付帯作業とのすみ分けの判断が難しく、誤解されやすい」との声が開かれた。  また、荷主のオーダー前倒しを求めるとともに、アンケートに協力した事業者が監査を受けたケースや副業を認めると労務管理に支障を来す恐れを懸念した。荷主は、改善が輸送量や頻度に左右されがちな実情や費用対効果、IT(情報技術)を活用したコーディネート、行政のサポート強化を説いた。  小谷座長は「発荷主、着荷主、運送事業者の3者で改善を見いだすには、やはり客観的なデータが次のステップに踏み出す大事な要素になる。パイロット事業は、17年度が最後になるだけに留意して取り組んで欲しい」と総括した。(渡辺弘雄) 【写真=雨天時の荷積み作業の短縮化について再検討】





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