全ト協/全国大会、労働時間減らし賃金増を 諸課題解決へ意識共有
団体
2017/10/09 0:00
全日本トラック協会(坂本克己会長)の全国トラック運送事業者大会が3日、仙台市青葉区で開かれ、全国から1400人が参加した。東日本大震災の被災県となってから初の開催となり、震災当時に活躍したトラック輸送の重要性を再確認するとともに、適正運賃の収受や長時間労働の抑制、生産性の向上といった諸課題について、一丸となってそれらの解決に取り組む意識の共有を図った。 開催地を代表して、東北トラック協会連合会の須藤弘三会長が「本日の大会を通じてトラック業界が抱える課題を再認識し、皆さんと一緒に前進していこう」と呼び掛けた。 坂本会長はドライバー不足に直面している業界の現状に触れ、「魅力ある業界にするために、皆さんで労働時間を減らすとともに、賃金を増やさなければならない」と強調。その上で、トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会の実証結果を基に、好事例を全国展開することに意欲を示した。 続いて、二つの分科会を実施。第1分科会では「健康起因事故等交通事故防止対策の推進」を、第2分科会は「労働環境の改善と生産性向上方策」をテーマに、それぞれの会場でパネルディスカッションを展開した。 記念講演会では、河北新報社の一力雅彦社長が「再生へ 心ひとつに」と題し、震災報道の現場に携わった者の視点で持論を展開。風化が進む現状や、風評被害の解決に向けた取り組みの必要性を訴えた。 また、全体会議では宮城県トラック協会青年部会の尾上寿昭部会長が、①働き方改革の推進②適正運賃の収受③人材確保対策の推進――などを盛り込んだ大会決議案を読み上げ、満場一致で採択。続いて、次期大会開催地である四国トラック協会連合会の粟飯原一平会長が「来年はぜひ、四国へ足をお運びいただきたい」と呼び掛けた。 最後に、宮城ト協(須藤会長)の庄子清一副会長の音頭で、参加者全員がガンバローコールを唱和。決議の推進を力強く誓い合い、大会を締めくくった。(今松大) 【写真=参加者全員でガンバローコールを唱和】