国交省、荷姿など基準明確化 会合発足 ドローン「輸送条件」提示 荷物の落下防止策必要
行政
2017/10/09 0:00
国土交通省は4日、無人航空機(ドローン)の物流への活用に向け、機体や利用者に求める要件を検討する有識者会合を立ち上げた。荷物の落下防止など安全対策を講じる必要があることから、「荷姿などの輸送基準を明確にする」「輸送に対する保険に加入する」などの条件を案として提示。まずは12月上旬までに、決められた2地点間を飛ばす場合の要件をまとめる。(土屋太朗) 同日、「無人航空機の目視外及び第三者上空等での飛行に関する検討会」の物流分科会の初会合を開き、ドローンの物流分野での利用に関し、機体の性能や安全確保体制に関するたたき台を提示。併せて、日本郵便(横山邦男社長、東京都千代田区)や楽天などから、ドローンのどのような利用を想定しているか――などについて、ヒアリングした。 たたき台では、荷物の落下防止対策や、着陸・荷物取り下ろし時の安全確保、荷物の受け渡し方法などの検討の必要性を指摘。その上で、機体に関しては、荷姿や取り付け方法、耐荷重などの輸送基準を明確にするとともに、飛行させる者は荷物輸送の保険に加入するといった要件案を示した。 分科会では12月上旬までに、2地点間を1機、または複数機が飛行する場合の要件を策定する方針。2018年からは、複数地点間の飛行や、市街地での宅配など、第三者が飛行域内に関わるケースの論点をまとめる。 政府は、操縦者が機体を直接確認できなくても飛ばせる「目視外」でのドローンの飛行について、分科会での報告を受けた上で来年度中に要件をまとめ、目視外飛行を可能にする規制緩和を図りたい考え。20年度には、第三者上空での飛行を実現させる方針だ。 【写真=荷物の落下防止対策や、着陸・取り下ろし時の安全確保、受け渡し方法などの検討の必要性を指摘】