福岡運輸、仙台営業所が稼働 冷凍庫入り口 断熱扉を3門化
物流企業
2017/09/25 0:00
福岡運輸(富永泰輔社長、福岡市博多区)の新仙台営業所(仙台市宮城野区)が完成し、19日から稼働した。港湾地区にあった旧仙台営業所(同)が東日本大震災で被災したための新築、移転で、グループ会社の福岡運輸システムネット(矢田康治社長、博多区)の仙台営業所(宮城県大崎市)も移転し、25日に業務を開始。19日には現地で竣工式を開いた。(黒田秀男) 新営業所は都心部に近い仙台市宮城野区扇町地区に建設した。敷地面積が6270平方メートル。建物は倉庫棟と事務棟が一体化した鉄骨造り3階建てで、延べ床面積が3560平方メートル。平屋建ての倉庫は床面積が2890平方メートル。冷蔵庫と冷凍庫が4ブロックに仕切られる。 前方の2室に冷蔵庫(セ氏0~5度)を配置し、広さはそれぞれ440平方メートル、620平方メートル。奥には冷凍庫(マイナス25度)1140平方メートルと、幅広い温度帯に利用できる冷凍・冷蔵庫(マイナス25度~セ氏5度)の640平方メートルを並べた。移動や固定のラックを設備し、パレット2792枚の収容が可能。 また、最新鋭のドックシェルター8基を備えた。3年かけて自社開発した設備で、接車時に高い気密性を保持し、預かった商品の温度変化や結露を防止する。 庫内は冷気の流れまで設計した最新の定温設備を備えた。壁には重厚な断熱材を使用し、冷凍庫に入るまでの断熱扉を3門化するなど様々な定温構造により、高レベルな食品物流サービスを提供。 全国ネットワークによる輸送システムと独自の倉庫システムで、入庫から納品までを一元管理し、東北6県に翌日配送する。 福岡運輸が仙台に進出したのは1985年。2010年12月に仙台港地区に自社倉庫(物流センター)を開設したが、翌年春に東日本大震災で被災し、取引先の倉庫の一部を借り、営業を続けていた。 竣工式で、富永社長は「新センターは、津波がきても被災しない内陸部での建設を目指し、今、ここに完成した。被災時には多くの皆さまに助けられた特別の思いのある倉庫で、弊社の全てのノウハウを注ぎ込んだ。営業所を仙台支店に、そして東北支店になれるよう、育て上げていきたい」とあいさつした。 【写真=最新鋭のドックシェルター8基を備え】