阜壮運輸、カンボジアで交安講習 事故防止意識の浸透図る 年度内あと2回開催
物流企業
2017/09/18 0:00
阜壮運輸(東京都大田区)の田中盛彦社長は8月下旬、カンボジアで交通安全講習を行った。近い将来、日本国内でトラックドライバー不足が一層顕著になることを見越して、カンボジア人を日本の物流業界でトラックドライバーとして受け入れる体制整備を進めている。その最初のステップとして、カンボジアで事故防止意識の浸透を図っている。(高橋朋宏) 交通安全講習は、首都プノンペンとアンコール遺跡群の観光拠点であるシェムリアップの2カ所で実施。三輪車タクシーやバスのドライバー、看護学校の生徒ら30人が受講した。 田中社長らが講師を務め、カンボジアの交通事故事情、世界でいかに安全運転が課題となっているかなどを説明。3、4人が1チームを組み、これまで見聞きした事故をどうしたら事故を回避できたかなどについて話し合った。 講習は3時間半に及んだ。田中氏は「特に、学生が熱心に受講してくれた」と手応えを感じている。受講後のアンケートでは、ほとんどが「また参加したい」「友人にも勧めたい」と回答。「日本でドライバーとして働きたいか」という質問には「業務内容をもう少し知りたい」という回答が多かった。 また、関東交通共済協同組合(千原武美理事長)の協力でボールペン70本、東京都トラック協会大田支部の松原伸行支部長からの心付けとして、リストバンドタイプの反射材100個を配り、大好評だった。 田中氏は2017年度内にあと2回講習を開く予定。その後、カリキュラムの作製やプロドライバーとしての知識、荷役作業の基本などを学んでもらう仕組みを構築する。一方、日本国内での法整備を含めた受け入れ体制の整備も不可欠で、多方面に働き掛け、3カ年計画で実現を目指す。 今は個人として活動しているが、一般社団法人を設立し、団体として活動することも視野に入れる。カンボジア政府と連携し、安全講習を受けたドライバーが車両に貼る認定ステッカー制度なども検討中だ。 【写真=講師を務める田中社長(右)】