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公共工事の経営事項審査、マル営大型車が評価対象に 来春メド 不公平を見直し

行政

2017/09/18 0:00

 国土交通省は2018年4月をメドに、公共工事の受注に必要な「経営事項審査」の適用範囲を見直し、営業用ダンプ(マル営)の大型車両も評価対象に加える。建設業者を点数化して順位付けするための審査で、これまでは自家用のダンプ車両(マル建)のみ対象とされており、評価対象になると加点されるため、公共工事の競争入札では営業用ダンプが不利だった。年内にも通達を出し、告示を改正する見通し。(武原顕、田中信也)  7月25日開かれた中央建設業審議会(石原邦夫会長、東京海上日動火災保険相談役)で了承された。これを受け、全日本トラック協会ダンプトラック部会の岡田安正部会長は9月12日、熊本市で開かれた総会で「18年4月1日から営業用ダンプの大型車両も評価対象となる見通しになった」と報告した。  経営事項審査は、公共工事を発注者から直接請け負う場合に必ず受けなければならない審査。15年4月には審査基準を改正し、評価対象に「大型ダンプ車」(車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上)を追加した。  しかし、建設業者向けの審査のため、自家用ダンプ車両のみを評価審査基準(加点テーブル)の対象とし、建設業を兼業する運送事業者の車両は除外。これを不公平として、岡田部会長ら執行部は、同省に対して3年前から見直しを要請してきた。  また、営業用ダンプが除外された背景には「建設用途に使用されているか判断が難しい」との理由がある。この課題をクリアするため、同省では判断が可能になる仕組みを整える方針だ。  ▼経営事項審査 競争入札に参加しようとする建設業者に対して許可行政庁が評価する、全国統一の客観的な指標。建設業者の資格審査では、欠格要件に該当しないかを審査した上で「客観的事項」と「発注者別評価」の審査結果を点数化して順位・格付けを行うが、客観的事項の審査がこれに当たる。審査結果は、公共工事の発注者であれば誰でも利用できることから、審査事務の重複・負担を大きく軽減できる。 【写真=建設用途に使用されているかどうかの判断が可能になる仕組みを整える方針(一部画像処理しています)】





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