きくや美粧堂、物流拠点を移転・拡張 TRC新棟内 生産性・働きやすさ重視 付帯作業にも対応
物流企業
2017/09/14 0:00
美容室向け化粧品・美容器具卸のきくや美粧堂(増保利行社長、東京都渋谷区)は、東日本エリアの物流拠点「East Logistics」を、東京流通センター(TRC、小野真路社長、大田区)新棟内に移転し、7日に関係者に公開した。業務拡大に伴い、広さを従来の1.5倍に拡張。生産性向上と働きやすさを重視し、最新鋭設備や独自の物流ノウハウを取り入れた。ネット通販用の商品撮影や流通加工といった付帯作業にも対応していく。(吉田英行) これまでTRCのA棟内に入居していたが、8月18日から新築のB棟に移転。3階の5600平方メートルを借り、東日本エリアの美容室向けに、シャンプー、トリートメント、ヘアブラシ、化粧品、美容機器などを供給する。 メーカーから入荷した商品を扱うケース保管エリアでは、フォーク部分が180度回転し車両の向きを変えずに荷役作業ができる「3WAYフォークリフト」を採用。ラック間の通路幅が車両幅とほぼ同じ1.5メートルで済むことから、保管効率が向上した。 作業者へのピッキング指示は、サーバーから音声で行う。作業者は紙のリストやハンディーターミナルを持つ必要が無く、両手フリーでの作業が可能。 出荷エリアには、段ボール内に収められた商品の高さを検知し、その高さで段ボールに折り目を付けて封をするフランス製の自動封函機「E―Cube」を設置。段ボール内の無駄な空間や緩衝材を減らせるほか、トラックの積載効率も実現する。 構内の搬送には、設定場所まで障害物を避けて移動する自立型自動搬送ロボットを使用。女性スタッフが8割を占めることから、働きやすさにも配慮し、作業負荷を軽減する特殊な台車やリフレッシュルームなども備えている。 更に、電子商取引(EC)用の撮影・採寸・原稿作成を行う「ささげルーム」、モデルによる撮影が可能なシャンプー台完備の「美粧ルーム」を併設。商品をギフト用にラッピングして、美容室の来店客の自宅に届ける流通加工業務も手掛け、付加価値を高めている。 同日の懇親会で、増保社長は「美容師の仕事をもっと楽にできないか――との発想で、当社サプライチェーン部が倉庫内の仕組みを考えた。保管や配送だけでなく、付帯作業の引き受けも目指し、美容室が行う様々なビジネスを支えていきたい」と強調した。 【写真=段ボール内の商品の高さを検知し、その高さで折り目を付けて封をする自動封函機】