静岡県、プッシュ型支援を訓練 トラ協が協力 物資輸送・受け入れ
行政
2017/09/14 0:00
【静岡】静岡県は3日、大規模災害発生時に国が県からの要請を待たず支援物資を輸送する「プッシュ型支援」の物資輸送・受け入れ訓練を行った。南駿(なんすん)地域総合防災訓練の一環。広域物資輸送拠点の愛鷹広域公園(沼津市)に大型テントを設置して、箱入りの非常食や水、毛布、トイレ凝固剤など大量の支援物資を使って、搬入から仕分け、搬出まで一連の作業をシミュレートし、問題点を探った。 県と「災害発生時等の物資の緊急・救援輸送、保管等に関する協定」を結んでいる、静岡県トラック協会と静岡県倉庫協会(永倉聡会長)が協力。裾野市や清水町など各市町の備蓄品を物資に見立て、静ト協の事業者が事前にトラックで運び込み、準備した。 当日は、支援物資を10トントラックで搬送し、フォークリフトやローラーコンベヤー、ハンドリフターを使い搬入。大小のトラック5台を使って、各市町の地域内輸送拠点まで輸送した。 静倉協では安全環境委員が物資の仕分けやパレットへの積載、ラッピング方法を事前に指導。当日、実動班として拠点運営に当たる東部農林事務所職員らで、検証しながら取り組んだ。 訓練の評価も担当し、藤田勝彦、佐藤公明の両安全委員が「ローラーコンベヤーを使った手下ろしは危険。ばらして下ろした方が、早いし安全だ」「仕分けせず、人海戦術でトラックにどんどん積んだ方がいい。被災時には、物資が滞留してしまう」などと、それぞれ述べた。 また、大型テントは非常時には3張り設置するが、今回は県と災害協定を結ぶレンタル事業者から借りた1張りを使った。拠点長を務める同事務所の岩崎治次長は「大型テントの設営にもクレーン車が必要になるなど、思ったより時間がかかることが分かった」と感想を述べた。 県は戦略物流本部会議で推進する「防災先進県プロジェクトチーム」で、広域物資拠点の設置運営マニュアルを作成するほか、被災時の行動計画策定を推進。実地訓練を行いながら、代替拠点を選定するなど、完成を急いでいる。(奥出和彦) 【写真=支援物資を10トントラックで搬送し、フォークリフトなどを使って大型テントに搬入】