物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

農水省/実証実験、パレット導入を補助 荷主対象 効率化へ働き掛け 取引サイトに情報提供

行政

2017/09/11 0:00

 農林水産省は2018年度、生産者や卸売市場関係者を対象に、パレットやトラック予約システムの導入補助を始める。支援を通じて荷主に物流効率化を働き掛け、トラック運転者の負担軽減や労働環境の改善につなげる。併せて、農水産物の取引マッチングサイトでは、トラックの空き状況など物流に関する情報の提供を新たに検討する。(土屋太朗)  来年度予算の概算要求で、卸売業者や小売業者を対象にした物流効率化支援の新規事業に10億円の内数を計上。パレット、フォークリフトなどの資材に加え、倉庫のトラック予約システムや共同配送マッチングシステムといった仕組みに対し、導入費の半額を補助する。  更に、パレットの導入支援に先立ち、10月をメドにパレットの運用ルールの統一に向けた検討会を立ち上げる。農水産物は卸売市場を経由しているため流通経路が複雑で、パレットの管理が難しい。一方で、加工食品業界では、発送から納品まで同一のレンタルパレットで運用するシステムを構築している例があり、農水産物でもこの運用ルールを参考にしたい考え。今年度中にルールを策定し、来年度の補助事業で普及に弾みを付ける。  また、農水産物の取引マッチングサイトの機能強化事業として、新規に2千万円を盛り込んだ。今年からサービスを始めたマッチングサイト「アグリーチ」は、生産者や卸売市場の情報を品目や場所ごとに検索可能で、現在350者程度が登録。このため流通関係者は、売買したい商品や希望する取引条件に応じて、取引先を発見できる。  ただ、現行システムでは、生産者が新たな取引先を見つけても、輸送手段を自前で確保しなければならない。思うように物流事業者を確保できなかったり、想定以上の物流コストが生じてしまったりして、取引につながらないケースがあった。  こうした状況を受け、農水省は来年度以降、トラックの積載内容、運賃といった物流事業者の情報もサイトに載せることで、取引の成約率を高めたい考え。まずは物流事業者の意見を聞くなどして検討を進めた上でサイトを更新し、登録者数の拡大にも結び付ける。 【写真=トラック運転者の負担軽減や労働環境の改善につなげる(イメージ写真)】





本紙ピックアップ

暫定税率廃止法が成立

 ガソリン税(揮発油税)の暫定税率廃止法が11月28日の参院本会議で可決、成立した。ガソリン税での12月31日の廃止を規定するとともに、軽油引取税でも2026年4月1日に廃止することや、軽油の旧暫定税率廃止に当たって運輸…

農水省「備蓄米放出」、倉庫会社に保管料支援

 農林水産省は、政府備蓄米の放出に伴い本来の保管料を収受できなかった倉庫会社への支援を決めた。2025年度末までの保管料に加え、当初見込んでいなかった運送費用や、出庫を急いだことで生じた経費を支援する。その上で、同省は備…

車体課税見直し報告書、自治体の財源維持を

 総務省が設置している地方財政審議会の自動車関係税制のあり方に関する検討会(小西砂千夫座長、地方財政審議会会長)は11月21日、自動車の車体課税の見直しに当たって報告書を取りまとめ、地方自治体の財源として、引き続き重要な…

自動運転「L4」実用化PT、導入ガイドブック公開へ

 レベル4(L4、特定条件下での完全自動運転)トラックの2030年ごろの実用化に向け、大型車メーカー、大手物流事業者などで構成するプロジェクトチーム(PT)は、技術開発と走行環境の整備に向け、新東名高速道路で総合走行実証…

オススメ記事

暫定税率廃止法が成立

 ガソリン税(揮発油税)の暫定税率廃止法が11月28日の参院本会議で可決、成立した。ガソリン税での12月31日の廃止を規定するとともに、軽油引取税でも2026年4月1日に廃止することや、軽油の旧暫定税率廃止に当たって運輸…

農水省「備蓄米放出」、倉庫会社に保管料支援

 農林水産省は、政府備蓄米の放出に伴い本来の保管料を収受できなかった倉庫会社への支援を決めた。2025年度末までの保管料に加え、当初見込んでいなかった運送費用や、出庫を急いだことで生じた経費を支援する。その上で、同省は備…

車体課税見直し報告書、自治体の財源維持を

 総務省が設置している地方財政審議会の自動車関係税制のあり方に関する検討会(小西砂千夫座長、地方財政審議会会長)は11月21日、自動車の車体課税の見直しに当たって報告書を取りまとめ、地方自治体の財源として、引き続き重要な…

自動運転「L4」実用化PT、導入ガイドブック公開へ

 レベル4(L4、特定条件下での完全自動運転)トラックの2030年ごろの実用化に向け、大型車メーカー、大手物流事業者などで構成するプロジェクトチーム(PT)は、技術開発と走行環境の整備に向け、新東名高速道路で総合走行実証…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap