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阪神高速/料金所設備不備、事業者から不満相次ぐ トラクタ単体で表示 対距離制移行 改修間に合わず

産業

2017/08/28 0:00

 「シームレスで分かりやすい料金体系」がうたい文句のはずだった近畿圏の高速道路通行料金の対距離料金制移行だが、東、中、西日本の各高速道路の大都市近郊区間と同じ料金・車種区分になった阪神高速道路(幸和範社長、大阪市中央区)では、トレーラの通行料金表示を巡り、運送事業者の間に混乱や不満が広がっている。トラクタがシャシーを連結して走行した場合、ETC(自動料金収受システム)車載器の音声通知や出口での表示はトラクタ単体の料金が案内され、請求時には連結状態の料金となることが原因だ。料金所の設備の不備は、車両制限令違反の取り締まりでも問題となっている。(小菓史和)  新料金では、2軸のトラクタ単体の料金区分は中型車で、1軸のシャシーを連結すると大型車、2軸以上だと特大車となる。また、3軸のトラクタ単体は大型車で、シャシーを連結すると特大車料金が課金される。  料金所通過時に正しい料金が案内されない理由について、阪神高速広報部では「ETCレーンの設備の関係上、実際のけん引状態を正しく把握できないため」と説明。東、中、西日本の各高速道路会社が管理する道路の料金所に比べ、構造上ゲート手前のスペースが狭く、通過の際に瞬時に連結車の有無を識別するセンサーなどを設置しにくいという。  国際海上コンテナや鉄鋼製品のトレーラ輸送を手掛ける泉州物流サービス(上橋将良社長、堺市中区)は、次世代型自動料金収受システム「ETC2.0」の移行に合わせ、デジタルタコグラフと連動し、運行日報を出力すると、自動的に高速料金が集計されるシステムを導入した。  しかし、請求時に料金が変わるため、日時や区間、車両番号を手作業で照合し、顧客への請求書発行前にデータを修正しなければならなくなった。上橋社長(67)は「最新のシステムに投資した意味が無いばかりか、事務員がもう一人必要なくらい余計な作業が発生している」と頭を抱える。  阪神高速では「既に案内させていただいている通り、6月3日の新料金移行に、設備の改修が間に合わなかったことが原因」(広報部)と説明しており、「改修に鋭意取り組む」とするものの、具体的な解決策は打ち出されていない。  こうした問題の最大の原因として、十分な準備が整わないまま6月3日スタートありきで新制度に移行したことが挙げられる。  西日本高速道路(石塚由成社長、大阪市北区)も、新料金移行直前に、近畿自動車道など一部の道路でシステム改修が間に合わず、出口通過時にETC車載器で正しい料金を確認できないことが発覚。タクシーが乗客を乗せて通行した場合、乗客から正しい高速料金の収受が困難になるといった事態も予想された。  このため、西日本高速は、6月3日から設備の改修が終わるまでの間、乗客を乗せたタクシーの当該区間における高速料金を負担する措置に踏み切り、現在も継続されている。  大阪府トラック協会(辻卓史会長)は、トレーラの料金表示を巡る問題への対応について、全日本トラック協会(坂本克己会長)を通じ国土交通省に早期是正への協力を求めるとともに、8月1日には中川才助副会長らが阪神高速を訪問。「運送現場での混乱を防ぐため、正しい料金案内を早期に実施するよう是正してもらいたい」とする要望書を、松原直樹営業部長に手渡した。  トレーラの料金表示や車限令違反に対する阪神高速の対応について、事業者からは「西日本高速に比べ対応があまりにも不誠実でないか。余計な負担を利用者に押し付けており、全く納得できない」といった不満の声が聞かれる。  阪神高速は取材に対し、「料金所を延伸するスペースが無いため、対応は困難な状況。何らかの対応策を検討したいと考えているものの、短期間では不可能で、当面は現状の料金案内を継続せざるを得ない。利用者には不便を掛けるが、理解をいただきたい」と回答、早期是正は難しそうだ。 【写真=設備の不備は、車両制限令違反の取り締まりでも問題となっている(阪神高速・南港北料金所)】





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