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トラック運賃適正化、新たな議論が今秋以降に 改正約款の周知「最優先」 国交省「波及効果を見極め」

行政

2017/08/24 0:00

 トラック運賃の適正化に向けた検討は、料金部分を明確化するための標準貨物自動車、標準貨物軽自動車の両運送約款改正などの波及効果を見極めた上で、新たな段階に入る。全日本トラック協会の坂本克己会長と、国土交通省の自動車局貨物課は、積年の課題である「適正運賃・料金収受」に向けて検討していくことで一致。トラック業界の意見を集約した上で、運賃本体部分も含む新たな議論の方向性が今秋以降、打ち出されるとみられる。(田中信也)  11月4日施行の改正運送約款と、トラック運送業の書面化推進ガイドラインの改正は、運送の対価である「運賃」以外の役務の報酬を「料金」として明確化。運送状の記載事項の具体例として、積み込み、積み下ろしの対価をそれぞれ「積み込み料」「取り卸し料」、荷待ちは「待機時間料」と規定。荷物の「横持ち」「縦持ち」「ラベル貼り」などは、付帯業務として位置付けている。  これまであいまいだった運賃と料金の範囲を明確化するに当たっては、トラック運送業の適正運賃・料金検討会(藤井聡座長、京都大学大学院教授)で議論。4月の第4回会合で、標準運送約款と書面化推進ガイドラインの改正案を提示した。その一方で、検討会では運賃の在り方自体の検討も進めており、今夏までに5回目の会合を開き、一定の方向性を取りまとめる方針だった。  だが、5回目の検討会は開催せず、運送約款やガイドラインの改正の概要を各委員に適宜説明していくこととなった。国交省自動車局の平島隆司貨物課長は「標準運送約款と書面化推進ガイドラインの改正内容をトラック事業者、荷主の双方に周知していくことが重要だ」と強調しており、まずはガイドラインなどの周知徹底を最優先したい考え。施行後も当面は、約款改正が適正運賃・料金収受にどれだけ効果があったかを見極めていく方針だ。  運賃の在り方に関する方向性を整理するため、検討会では全国のトラック事業者を対象にアンケートを実施したが、標準運賃や最低運賃の設定が効果的とする意見が根強い半面、導入に支障があるとの声も少なくなかった。  「運賃の目安設定は必要だ」「運賃交渉は荷主との相対が基本で、国が目安を定めるべきでない」と見解が分かれる中で、運賃の在り方に関して一定の方向性を打ち出すのは難しい。運賃本体部分に関する検討は先送りされた格好だが、ある全ト協幹部は「議論が後退したわけではない」と指摘する。  トラック業界の代表委員として検討会に参加し、運賃本体部分の見直しの必要性を主張してきた全ト協の坂本会長は、7月に開いた就任会見で、最低運賃や標準運賃について「法制化は難しい」と慎重姿勢を示しつつも、「地域や業態によって異なる事情を聞き、業界の考え方として整理する」と強調。会見に同席した平島氏とともに「全国行脚」を行い、「(一定の対価が担保される)運賃を検討したい」と明言した。  8日の関東トラック協会(千原武美会長)を皮切りに始まった、全国9ブロックの協会との意見交換会では、国交省側は運送約款とガイドラインの改正を周知していくとみられる。一方、業界側にとっては、最前線の声を今後の運賃施策の検討に反映させる絶好の機会であり、適正運賃・料金収受に向けた検討を再始動させるトリガー(引き金)となる公算が大きい。 【写真=「異なる事情を聞き、業界の考え方として整理する」と全ト協の坂本会長(7月13日)】





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