キューブコーポ、横乗り研修で新入定着 中・大型免許の取得支援
物流企業
2017/07/31 0:00
【香川】キューブコーポレーション(宮武知基社長、香川県坂出市)は、新人ドライバー研修での横乗り期間を長く設定し、独り立ちするまでの指導に時間をかけることで、定着率を向上させている。先輩ドライバーとのコミュニケーションを十分に取り、未経験者にも安心感を与えることで、事故の減少にもつながっている。 通常1、2週間程度の横乗りの期間を、同社では新人ドライバーの能力に合わせて3カ月から半年に延ばした。横乗り期間中は、運転や荷扱いもするが、先輩ドライバーがそばに付いて、アドバイスをしている。 宮武社長(42)は「社内や荷主とのコミニュケーションが十分に取れるようになってから、独り立ちさせることで退職するドライバーが減った。横乗り期間中の人件費の負担は大きいが、出入りが激しくてもコストが掛かる。定着率を高めることで人件費上昇分はペイできる」と話す。 最高齢で73歳のドライバーもおり、教育係として20歳代の若手の指導に意欲的に取り組んでいる。こうした職場の支援体制もあることから、未経験者を積極的に採用。フォークリフトや中・大型自動車免許の取得費用も会社が負担して新人を支援している。 保有車両は29台で、全車にデジタルタコグラフとドライブレコーダーを装着しているほか、整備士も雇用した。土曜日を「整備の日」として点検やメンテナンス作業を実施することで、車両故障も減少。整備の日にはドライバーも必ず立ち会わせ、整備士がポイントを教えている。 雑貨の定期便を主力とする同社の業績は安定している。ただ、これからドライバーを増員するかどうかは様子見だ。 宮武氏は「日頃の輸送能力は足りているが、繁忙期には限界を超える。ただ、大手物流事業者が運賃値上げやサービスの見直しに乗り出す中で、我々中小にはその効果がまだ波及してきていない。当面は今の台数を維持しつつ、機会を捉えながら増車を考えていきたい」と話している。(江藤和博) 【写真=全車にデジタコとドラレコを装着】