全ト協/青年部会員調査、女性運転者雇用が4割迫る 1社平均は車両規模大きいほど多い 運行形態「近中距離」62%
団体
2017/07/27 0:00
女性ドライバーを雇用している事業者は現在38.3%で、女性ドライバーの比率は2016年時点で11年比0.4ポイント増の2.8%となっている――。全日本トラック協会(坂本克己会長)が全国の青年部会員を対象に実施した調査結果でこうした現状が判明し、女性の採用意欲も全体で5~8割と高くなっていることが分かった。女性ドライバーの雇用に関する全ト協の本格的な調査は初めて。(北原秀紀) 女性ドライバーを「現在雇用している」事業者は全体の38.3%を占め、「過去に雇用したことがある」が32.8%、「雇用したことがない」は28.9%となった。 今後の採用意欲を「増加させたい」「条件が合えば雇用したい」を合わせた割合でみると、「現在雇用」している企業が8割、「過去に雇用」した事業者は6割、「雇用したことがない」ところでも5割に上っており、意欲は比較的高い。 1社平均の人員は車両規模別で異なり、小規模(20台以下)が0.2~0.3人、中規模(20~100台規模)で0.9~2.1人、大規模(100台以上)は4.9人と、規模が大きくなるほど女性ドライバーが多くなる傾向にある。 回答事業者の全ドライバーに占める女性ドライバーの比率は、11年の平均2.4%に対し、16年は2.8%で、0.4ポイント増加。トップは51~100台の規模で、3.2%と最も高い。 採用方法(複数回答)は「社員や知人、取引先等による紹介」(57.4%)と「ハローワーク」(55.2%)が並んで多い。採用の悩み(複数回答)では「女性ドライバーが可能な業務の見直し」がトップで、「(家庭との)両立支援のための制度整備」「女性ドライバーを迎えるための社内整備」「社内及び社外でトラブルが発生した際の対応」がいずれも20%台で続いた。 業務面をみると、運行形態(複数回答)は「近・中距離」(62.0%)と「市内配送」(54.7%)が突出。乗務している車両(複数回答)は「中型車」(58.3%)、「大型車」(44.2%)、「小型車」(24.0%)の順で、「バン型車」(72.8%)が圧倒的に多い。 一方、輸送品目(複数回答)は「食料品」(39.4%)、「日用品」(26.5%)、「機械・機械部品」(16.9%)、「建設資材(砂利含む)」(16.5%)の順。荷役作業(同)は「手積み・手下ろし」(53.0%)、「フォークリフトによる積み込み・取り下ろし等」(52.2%)が半数を超えた。 給与体系(複数回答)をみると、「基本給+時間外手当」(51.8%)と「基本給+歩合給+時間外手当」(43.0%)がほとんど。管理者に占める割合(複数回答)も男性が9割を超え、女性は「ドライバー経験あり」で7.8%、「経験なし」では6.3%にとどまっている。 定着状況については、4割が「定着傾向にある」と回答。現在雇用している事業者の回答は7割を超える。雇用のメリットとしては、「人手不足の解消」以外に「コミュニケーション円滑化による社内雰囲気の改善」などを挙げている。 調査は2月から3月にかけ、全国の青年部会員5300者にメールを通じて実施。650事業者から得られた回答(回収率12.3%)を集計、分析した。