エムチーム、初の新卒採用を来春にも 軽トラ導入し若者を一から育てる 将来見据え労働力確保
物流企業
2017/07/24 0:00
【三重】MーTEAM(エム・チーム、諸岡貢社長、三重県菰野(こもの)町は2018年春にも、初の新卒採用を行う方針だ。若年人材の採用を前提として、普通自動車免許からステップアップさせるため、ウィング仕様の軽トラックを新たに導入し、育成の準備を進めている。(星野誠) 07年4月に会社を立ち上げ、設立10年の節目を迎えた。ウィング車、平ボディー車、ユニック車など計13台をそろえ、小麦粉や発泡スチロールの原料などを運んでいる。ベテランドライバー2人が60代となったことから、将来を見据えた若年労働力の確保が必要と考えた。 諸岡社長は「なんとか人手は足りているが、5年、10年後のため、今から若いドライバーを確保しないといけない。知り合いの高校教師に相談し、ハローワークを通じて求人することにした。男子高校生1、2人を予定している。真面目で素直な子に来てもらい、時間をかけて育てていきたい」と説明。 新卒採用に向け、初めて軽トラックを導入。荷台がウィング車のように開くユニークな軽トラで、普通免許しか持たない新人がトラックの仕事を基本から学ぶのに適している。諸岡氏は「新人には、まずはこの『軽トラウィング』で地場の配送業務を担当してもらう。仕事を教えながら、2トン車に乗れる準中型免許にステップアップさせたい」と話す。 若年人材確保に必要性を感じながら、新卒採用に踏み切る中小トラック事業者はまだ少ないのが現状。ドライバーの高齢化が進む中、大半の企業は中途採用で新陳代謝を図ろうとしているが、諸岡氏は「業界経験者が必ずしもいい人材とは限らない。長い目で見れば、まっさらな若者を一から育てるに越したことはない。軽トラで仕事を覚えながら、大きなトラックに乗る夢を持ってくれたら」と力を込める。 【写真=新人は「軽トラウィング」で仕事を学ぶ】