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三井不動産、ロジパークを6棟開発 「街づくり型」建設を推進 カフェや託児所併設

荷主

2017/07/24 0:00

 三井不動産は、「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)事業」の拡大に向け、新たに物流施設6棟を開発する。「街づくり型ロジスティクスパーク」を推進し、開発地のうち千葉県船橋市では、カフェテリアや託児所を整備したゲート棟を併設。一方、羽田エリア(東京都大田区)では、産業活性化に寄与するインダストリアルパークをつくる。今後は年間で400億円ほど投じ、3~5棟を新規開発したい考え。20日開いた記者説明会で発表した。(井内亨)  今回発表した新規物件は①MFLPつくば(茨城県つくばみらい市)②MFLP川口Ⅰ(埼玉県川口市)③MFLP船橋Ⅱ④MFLP羽田⑤MFLP川崎Ⅰ(川崎市川崎区)⑥MFLP大阪Ⅰ(大阪市淀川区)――の各物流施設。これにより、2012年4月の事業立ち上げ以降、稼働施設が15棟、開発中の施設は13棟となり、総延べ床面積は240万平方メートル、総投資額が4千億円となった。  新規案件のうち船橋、羽田の両エリアでは、新たな試みとして「街づくり型」の施設開発を推進。船橋では、開発予定の施設を含めた物流センター3棟に加え、周辺の商業施設を利用する買い物客や近隣住民も利用できる緑地スペースや、カフェテリアなどを備えたゲート棟を設ける。物流施設には免震構造を採用し、BCP(事業継続計画)対策を講じるとともに、災害時の避難所としても活用。年が経つごとに価値の増す「経年優化」型のロジスティクスパークを目指す。  更に、ANAホールディングスと連携し、インダストリアルパーク羽田を開発。物流施設のMFLP羽田とともに、パイロットやキャビンアテンダントを訓練する世界最大級の施設「ANA総合トレーニングセンター」(仮称)を建設する。首都高速道路・羽田インターチェンジに近く、陸海空のアクセスに優れている上、京浜急行・穴守稲荷駅から徒歩7分と労働力を確保しやすい好立地。緑道や歩行者空間も整備することで、地域環境に配慮した地区整備を図る。  現在、地方の政令指定都市周辺での開発も検討中で、今後は広島市、札幌市、仙台市への進出を目指す。海外展開も視野に入れており、候補地にはタイ、シンガポールといった東南アジアを挙げている。海外へ進出する日本企業を物流でサポートしたい考えだ。  また、物流の自動化・省人化に向け、ICT(情報通信技術)ソリューションを提案。テナント企業の要望に応じて、ICT機器付きの物件の賃貸も可能とした。9月には、物流ICTに特化したショールーム「MFLP ICT LABO」をMFLP船橋Ⅰにオープンする。  記者説明会で、三木孝行・常務執行役員ロジスティクス本部長は「当社の優秀な社員と顧客の縁があったからこそ、ここまで事業を拡大できた。今後は、冷凍・冷蔵ニーズへの対応に向けた研究に取り組むほか、働く人の快適性を考慮した空調設備の検討も進めていきたい」と話した。 【写真=近隣住民も利用できる緑地スペースを設ける(MFLP船橋Ⅱ、完成予想図)】





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