物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

JP、郵便局間初の貨客混載 路線バス使い高知県で 全国へ水平展開も視野

物流企業

2017/07/20 0:00

 日本郵便(JP、横山邦男社長、東京都千代田区)は21日から、郵便局間では初めてとなる路線バスを利用した貨客混載輸送を高知県で開始する。ドライバー不足への対応や二酸化炭素(CO2)排出量の削減、モーダルシフトの推進など、運送業界を取り巻く環境を考慮した取り組みで、全国での水平展開も視野に入れる。(田中信也)  四国支社とジェイアール四国バス(吉良次雄社長、高松市)と共同で、大栃線・土佐山田―大栃の25キロで実施。土佐山田局と大栃局間で、郵便物とゆうパックを納入する専用ボックスの運送をジェイアール四国バスに委託するもので、1日4往復を予定している。  専用ボックスは座席2列分のスペースに固定。ボックスは機密性を保持するためカギを掛け、宛先などが乗客から見えない構造としている。使用車両には郵便マークを掲示する。  停留所間の所要時間は45分程度。土佐山田局から土佐山田の停留所までは軽貨物車、大栃停留所から大栃局まではリヤカー付きの自転車で運ぶ。  これまでは全て軽貨物車で輸送しており、貨客混載に切り替えることで「年間数十万円の削減効果がある」(JP経営企画室広報担当)。ただ、それ以上に「深刻化する労働力不足への対応やモーダルシフトの推進が大のメリット」としており、バス事業者にとっても一定の委託料収入を得ることができる。このため、条件が合う区間があれば、地域を問わず積極的に導入していく方針だ。  郵便物のバス輸送は、郵政省時代の旧国鉄での鉄道郵便輸送の代替などでこれまで事例があったが、拠点(局)間輸送での本格的な混載は初のケース。国土交通省が9月から過疎地限定でトラック、バス、タクシーの「サービス掛け持ち」を全国的に容認することを決めたが、今回のケースは乗合バスで350キロ未満の貨物輸送のため、サービス開始に特別な許可は必要ない。 【写真=専用ボックスは座席2列分のスペースに固定する】





本紙ピックアップ

相次ぐクマ被害、敷地出没や車両衝突

 クマの被害が後を絶たない。11月末時点の環境省の速報値で、2025年のクマによる人身被害が230件に達し、過去最高を記録した。敷地内への出没や車両との衝突など物流業界への影響も小さくない。修理費が高額に及ぶケースもある…

臨時国会閉会、暫定税率廃止法など成立

 第219回臨時国会が17日、閉会した。内閣提出法案は、2025年度補正予算案などを除くと、気象業務法及び水防法の一部改正案など11件が提出され、全て成立した。衆・参議員提出法案は、通常国会からの継続審議の法案を合わせて…

経産省「健康経営銘柄」、殿堂入り制度を創設

 経済産業省は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する健康経営がより評価されるよう、健康経営銘柄に複数回にわたり選定された企業を顕彰する「健康経営銘柄の殿堂入り制度(仮称)」を2026年度にも創設する。1…

公取委調べ/価格転嫁25年度、「7割以上」0.3㌽上昇

 公正取引委員会は15日、価格転嫁円滑化の取り組みに関する2025年度の特別調査の結果を公表し、トラック運送業などは多重委託構造が存在するため、元請けから下請けの同業者への価格転嫁が円滑に進んでいないと分析している。 受…

オススメ記事

相次ぐクマ被害、敷地出没や車両衝突

 クマの被害が後を絶たない。11月末時点の環境省の速報値で、2025年のクマによる人身被害が230件に達し、過去最高を記録した。敷地内への出没や車両との衝突など物流業界への影響も小さくない。修理費が高額に及ぶケースもある…

臨時国会閉会、暫定税率廃止法など成立

 第219回臨時国会が17日、閉会した。内閣提出法案は、2025年度補正予算案などを除くと、気象業務法及び水防法の一部改正案など11件が提出され、全て成立した。衆・参議員提出法案は、通常国会からの継続審議の法案を合わせて…

経産省「健康経営銘柄」、殿堂入り制度を創設

 経済産業省は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する健康経営がより評価されるよう、健康経営銘柄に複数回にわたり選定された企業を顕彰する「健康経営銘柄の殿堂入り制度(仮称)」を2026年度にも創設する。1…

公取委調べ/価格転嫁25年度、「7割以上」0.3㌽上昇

 公正取引委員会は15日、価格転嫁円滑化の取り組みに関する2025年度の特別調査の結果を公表し、トラック運送業などは多重委託構造が存在するため、元請けから下請けの同業者への価格転嫁が円滑に進んでいないと分析している。 受…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap