びわ貨物運送、ニーズ対応し多角展開 創貨の取り組み加速 異分野むけ垂直展開
物流企業
2017/07/17 0:00
【滋賀】びわ貨物運送(西村ますえ社長、滋賀県彦根市)は、長距離・大量輸送のノウハウに、長浜営業所(長浜市)の機動力をプラスすることで、顧客のきめ細かなニーズに対応し、多角的な展開を目指している。(小菓史和) 貨物取扱量の増加に合わせ、集配の拠点として長浜、土山営業所(甲賀市)を相次いで開設。中でも、荷主の拠点に近く、北陸、中部へのアクセスに優れた長浜営業所は、中継や積み替えといった作業も手掛けているほか、保管庫を設置し、物流管理や軽加工にも進出した。 荷主ニーズの多様化と荷物の多品種・小ロット化が進むと、トレーラや大型車による輸送は、次第に貸し切りから積み合わせへと移行。長浜営業所では、こうした流れに合わせ、賃貸していた施設を買い取り、3月に保管庫の一部を同社初の営業倉庫として登録。指定可燃物の保管に対応した施設も設けた。 現在は、機械部品のアセンブリーや組み立ても一部手掛け、集荷だけにとどまらず創貨への取り組みも加速させている。 西村嘉次専務は「一般貨物の長距離・大量輸送をベースに水平展開してきたが、近年はより細かなニーズへの対応も求められている。これまでとは違ったジャンルへの垂直展開も視野に、細かな要望に応え、まとめて運ぶという得意分野を生かしていきたい」と強調する。 2016年には、食品の加工・流通拠点として使用されていた施設(彦根市)を購入し、本社営業所をリニューアルオープン。鉄筋コンクリート造り一部2階建てで、延べ床面積は1320平方メートル。施設内には、165平方メートルの冷凍庫と温度管理可能な荷さばきスペース、7基のドックシェルターも備える。国道8号に面し、名神高速道路や北陸自動車道にも近い。 西村氏は「食品をはじめとする温度管理が必要な荷物も扱え、原材料の調達、保管・加工、物流管理、輸配送というモデルにも対応できる。小規模でニッチな分野にも、3PL(サードパーティー・ロジスティクス)の発想を取り入れることで、付加価値を更に高められる」と意気込む。 【写真=16年に食品の加工・流通拠点として使用されていた施設を購入し、本社営業所をリニューアルオープン】