三和運輸機工、結露防止装置を導入 鋼材の品質管理強化 新潟支店で本格運用
物流企業
2017/07/17 0:00
【神奈川】三和運輸機工(中山周二社長、川崎市川崎区)は、鋼材の結露を防止する予測警報装置を、新潟支店の白根(しろね)鋼材センター(新潟市南区)で導入し、7月から本格運用を始めた。装置メーカーによると、新潟県内での導入は初めて。今後の鋼材の物量拡大を見込み、品質管理を強化するのが目的で、全物流拠点に順次導入していく。(吉田英行) 同センターでは、自動車や家電製品、冷暖房機の外板などに使われるコイルの保管、在庫管理、輸送業務を手掛けている。 コイルは表面温度が外気温より低くなると結露が生じる可能性があり、さびの原因となる。同社の物流拠点ではこれまでコイルに結露が生じたことは無いが、今後コイル取扱量の増加が見込まれることから、品質管理強化の一環として導入を決めた。 装置は、不動鋼板工業(高橋利明社長、北九州市戸畑区)の「露助(つゆすけ)ZERO」。コイルにリードを取り付けて装置本体とつなぎ、表面温度を計測。センター内の気温との温度差を任意に設定すると、過去2時間の温度変化から1時間後の状態を予測し、危険度に応じて、「注意報」「警報」を出す。 あらかじめ登録された担当者5人までの携帯電話に音声、メールで知らせる。データはUSBメモリーなどに保存することができ、荷主の求めに応じて提出することも可能。 同センターでは、温度差2度で注意報、1度で警報を出し、荷扱いを行うクレーン作業者、倉庫責任者、事務所スタッフの3人に知らせるようにしている。注意報、警報が出た場合は、センター内の通気を調整して適切な温度に保つ。 同センターは敷地面積8千平方メートル、平屋建てで、倉庫面積3300平方メートル。鉄鋼メーカーで製造されたコイルを保管し、月平均の在庫量は3300~3500トン。主に県内の加工メーカー向けに出荷している。 同社では年内にも同装置を燕鋼材センター(新潟県燕市)に導入する計画で、他の物流拠点でも採用する予定。 【写真=月平均3300~3500トンのコイルを扱う白根鋼材センター】