海運3社、新会社を設立 コンテナ船事業を統合 世界90カ国を結ぶ
物流企業
2017/07/13 0:00
日本郵船、商船三井、川崎汽船3社は10日、コンテナ船事業の統合会社オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)の設立に伴い、持ち株会社ONEホールディングスを日本、事業運営会社となるONEをシンガポールに置き、事業展開していくことを明らかにした。事業開始は2018年4月で、コンテナ船240隻を駆使しながら世界90カ国超を結ぶネットワークを構築、サービスを提供していく。同日の共同会見で、川崎汽船の村上英三社長ら3トップは「世界のマーケットで競争力ナンバー1のコンテナ事業会社として存在感の強い会社を目指す」と語った。(高木明) 新会社の資本金は約230億円で、3社が共同出資する。社員数は約1万人で各社から出向・転籍する。ONEHDの会長には商船三井の田辺昌宏副社長執行役員、ONEの社長兼CEO(最高経営責任者)には日本郵船の経営委員のジェレミー・ニクソン氏が就く。更に、事業会社は香港、シンガポール、英国、米国、ブラジルに地域統括拠点を配置、事業展開していく。 新会社は、18年2月からブッキング業務、4月から事業の開始を見込む。世界最大級の2万TEU(20フィートコンテナ換算)型船を筆頭に、超大型コンテナ船31隻を含む、総数240隻の船隊を活用しながらサービスを提供。現状では世界第6位にランクされる年間144万TEU超の取り扱いを見込む。 3社によると、国際コンテナ船市場は荷動き不振や運賃の軟化で厳しい経営環境が続く。3社の17年3月期の定期コンテナ船事業の売上高合計は1兆7250億円で、16年3月期比で15%程度落ち込んでいる。経常損益についても、3社合計で770億円の赤字となっている。 会見で、村上氏は「これまでライバル会社同士だった会社が日本で唯一のコンテナ会社となった。存在感ある会社になっていく」と強調。商船三井の池田潤一郎社長は「競争力ナンバー1のコンテナ会社を目指す」、日本郵船の内藤忠顕社長は「将来は親会社を超える会社に育って欲しい」とそれぞれ抱負を述べた。 【写真=新会社設立で会見に臨む(左から)川崎汽船の村上社長、商船三井の池田社長、ONEのニクソン社長兼CEO、日本郵船の内藤社長】